公開講座「持続可能で循環型社会にむけて インクルーシブ、ビジョンとシステミックのアプローチ」(会場/ オンライン)

◾趣旨:
これからのビジネスや私達の⽣活を考えると持続可能な循環型社会に向けてデザインを活⽤することが期待されています。持続可能な循環型社会とは、環境への影響を最⼩限に抑えるための資源の循環だけでなく、誰も取り残さずにテクノロジーやウェルビーイングなど⽬に⾒えない価値も循環する社会です。これにより、将来の世代も豊かな⽣活を送ることができるようになります。


このためには、現在の経済モデルである線形経済に対して、廃棄物を最⼩限に抑え、地球上のアクターを包括的に捉えた循環経済を推進する必要があります。このような社会に向けてのアプローチとしてインクルーシブデザイン、ビジョンデザインとシステミックデザインの三つのアプローチの可能性があります。

持続可能な社会は、環境だけでなく社会的包摂や平等も重視します。「インクルーシブデザイン」は、持続可能な製品やサービスが多くの⼈々に利⽤されるようにするための重要な⼿段であり、持続可能な社会の実現には⽋かせない要素です。また「ビジョンデザイン」は、持続可能な未来を具体的に描き、実現するための道筋を⽰すことで、企業や社会が⼀体となって取り組むべき⽅向性を⽰します。このプロセスを通じて、持続可能で循環型な社会がより現実的かつ効果的に実現されることが期待されます。「システミックデザイン」は、持続可能な社会を実現するために必要な複雑なシステムを総合的に理解し、統合的な解決策を創出するための強⼒なツールです。このアプローチにより、企業や社会が持続可能な⽅向に向かって進むことが期待されます。

今回は、「非常識なやさしさをまとう―人とともにデザインし、障がいを超える」の本を出版された、社会課題解決に向けて多様な活動をしている⽥中美咲さんに「インクルーシブデザインのアプローチと実践」の話題提供を、ビジョンデザインの研究/実践をしている⼭﨑和彦さんに「ビジョンデザインのアプローチと実践」、関係性を捉えるシステミックなデザインを追求している峯村昇吾さんに「システミックデザインのアプローチと実践」の話題提供をしてもらいます。最後に、会場の参加者全員と「持続可能な社会のためのアプローチを考える」ワークショプを実施します。会場はPYNT(ピント)という日建設計が運営する共創スペースで開催します。この場所には共創を推進するための多様なアイデアが埋め込まれていますので会場でとても興味深いです。多くのみなさまの参加をお待ちしています。

■⽇時:8⽉20⽇(⽕)18:30-20:30(開場 18:15)
■主催:X デザイン学校、(株)X デザイン研究所
■共催:⽇建設計イノベーションデザインセンター
■協⼒:⽇本デザイン学会PD部会
■会場参加:PYNT ⽇建設計東京本社ビル3階 限定30名
・千代⽥区飯⽥橋2丁⽬18番3号
・アクセス 飯⽥橋駅、⽔道橋駅、九段下駅より徒歩6分程度
https://www.nikken.jp/ja/about/pynt.html
■オンライン参加:zoomによるオンライン参加
■ 参加費:
・会場参加:3000円 (Xデザイン学校2024年度受講⽣は無料)
・オンライン参加:2000円 (Xデザイン学校 2024年度受講⽣は無料)
■詳細・申込:https://peatix.com/event/4042867/view


■ プログラム
18:30-19:00 インクルーシブデザインのアプローチと実践
・⽥中美咲(ソーシャルデザイナー・社会活動家)
19:00-19:30 ビジョンデザインのアプローチと実践
・⼭﨑和彦(Xデザイン研究所)
19:30-20:00 システミックデザインのアプローチと実践
・峯村昇吾(造形構想株式会社代表/武蔵美術⼤学特任研究員)
20:00-20:30 考えるワークショップ「持続可能な社会のための実践」
・講師全員
・スタッフ:安ヶ平雄太、塚本仁志

■こんな⽅にお勧め
・ソーシャルデザインの教育・研究・実践に関⼼のある⽅
・サスティナブルデザインやサーキュラーデザインに関⼼のある⽅
・新規事業開発や企業変⾰に関⼼のある⽅
・これからのデザインの役割やアプローチに興味がある⽅

■講師プロフィール:⽥中 美咲(たなか・みさき)
ソーシャルデザイナー・社会活動家。1988 年⽣まれ。⽴命館⼤学卒業後、東⽇本⼤震災をきっかけとして福島県における県外避難者向けの情報⽀援事業を責任担当。2013 年「防災をアップデートする」をモットーに「⼀般社団法⼈防災ガール」を設⽴、2020 年に事業継承済。第32回 ⼈間⼒⼤賞 経済⼤⾂奨励賞 受賞。2018年2⽉より社会課題解決に特化したPR会社である株式会社morning after cutting my hair創設。2020年「オール・インクルーシブ経済圏」を実現すべくSOLIT株式会社を創設。同社が開発したインクルーシブファッションが、世界三⼤デザインアワード「iF DESIGN AWARD 2022」にて最優秀賞GOLDを受賞。

■講師プロフィール:峯村 昇吾(みねむら・しょうご)
サービスデザイナー。1982年⽣まれ。造形構想株式会社代表取締役。FABRIC TOKYOにてクリエイティブ統括、図解総研にて取締役CDOを経て、独⽴。アパレル産業の⽣態系を可視化したサーキュラーダイアグラムを⼿掛けるなど、複雑なシステムを対象とした、アクターの関係性を捉えるシステミックなデザインを得意とする。2024 年2 ⽉に持続可能で循環するファッションのためのプロダクション「HUMATERIAL」をスタート。武蔵野美術⼤学⼤学院造形構想専攻修了。武蔵野美術⼤学特任研究員。

■講師プロフィール:⼭﨑和彦(やまざき・かずひこ)
(株)X デザイン研究所共同創業者/CDO、武蔵野美術⼤学ソーシャルクリエイティブ研究所研究員、Smile Experience Design Studio代表。京都⼯芸繊維⼤学卒業後、クリナップ(株)を経て、⽇本IBM(株) UXデザインセンター⻑(技術理事)、千葉⼯業⼤学デザイン科学科/知能メディア⼯学科教授、武蔵野美術⼤学教授を経て現職。神⼾芸術⼯科⼤学博⼠(芸術⼯学)号授与、東京⼤学⼤学院博⼠課程満期退学。グッドデザイン賞選定委員、⽇本デザイン学会理事、経産省デザイン思考活⽤推進委員会座⻑、HCD-Net副理事⻑など歴任。「うれしい体験のデザイン UX で笑顔を⽣み出す38 のヒント」など著書多数。デザインの実践・研究・教育とコンサルティングに従事。

◾️会場 “PYNT”について
“PYNT(ピント)”は2023年4月にオープンした、日建設計が運営する共創スペースです。社会を共有財の視点で見つめ直し、思い描いた未来を一歩ずつ社会に実装するオープンプラットフォームを目指しています。
まちの暮らしにある「違和感」を一人一人が関われる共有財として捉え直すことで、よりよい未来を作りたい。未来を描きたい皆さんと共同体を作りながら、イベント・展示・実験などを通して解像度を上げ、社会につなぐステップを歩みます。
https://www.nikken.jp/ja/about/pynt.html

第71回春期研究発表大会グッドプレゼンテーション賞報告

2024年6月21日(金)~23日(日)の3日間、九州産業大学で開催された第71回春期研究発表大会において、座長、研究部会オーガナイザー、概要集編集委員会、研究推進委員会、論文審査委員会より構成される推薦委員会の下、3つの選考基準(研究内容、概要、発表質疑)に基づく審査の結果、以下の27件に決定いたしましたのでここに報告します。

口頭発表 17件

A2-06 規則性認識が形状の美的評価に与える影響
澤田 一葉(東京大学)

A3-01 避難所での活用を想定した木造ユニットシステムのデザイン
畔柳 加奈子(京都工芸繊維大学 デザイン・建築学系)

A4-04 物に対する同情と印象への影響
遠藤 柊奈(千葉大学大学院)

A5-05 更年期女性向けサービスデザインに関するインタビュー調査
劉 彦(千葉工業大学大学院)

A6-02 無作為的な動詞発想法を組み込んだデザインゲームの開発
菅原 真唯(専修大学 ネットワーク情報学部)

A7-05 デザインの専門性を活かしたナレッジマネジメント活動の実践と研究
瀧 知惠美(株式会社MIMIGURI)

A10-05 能動的な町との関わりを愉しむくつろぎの道具の提案
堀江 宙生(千葉大学工学部)

B1-02 マルチタイムスケールの視点に基づく精神価値発生プロセスの考察
堀川 将幸(湘南工科大学)

B4-03 工業製品としての「最初のスタッキングチェア」とその系譜
碓井 厚希(大阪工業大学大学院)

C1-02 葛飾北斎画『北斎模様画譜』のパッチワーク図案への応用
江良 智美(筑波大学大学院・目白大学)

C4-01 顧客志向を育む従業員体験設計
鈴木 修平(KDDI株式会社)

C5-04 檜原村トイビレッジ構想における玩具デザインプロジェクト
林 秀紀(桜美林大学 芸術文化学群)

C7-01 学生と地域住民が公的枠組みを超えた関係に相互変容する社会実践の試み
長岡 南風(札幌市立大学大学院 デザイン研究科)

C8-01 バングラデシュにおける妊婦健診受診を継続に導くためのツールのデザイン研究
帆足 夏央(九州大学芸術工学府)

C10-03 岡山アウトリーチプログラムにおけるインバウンド観光客を対象としたノベルティグッズ“BRAID BRACELET”の評価について
山下 万吉(岡山県立大学 デザイン学部)

D4-05 ユーザー発信型学習バースを活用したデザイン教育
本田 宗久(株式会社GKダイナミックス)

D6-03 思いの投影と表出を用いた体験デザインの研究
濱 太郎(千葉大学工学部)

ポスター発表 10件

PA-12 クチコミスコアを用いた眺望道路の展望地点の評価要素
上原 健太(拓殖大学大学院)

PA-22 レシートの印字内容を音色に変換するデバイスの提案
三代 晃司(大阪工業大学大学院)

PA-32 動きを用いた読字方法のプロトタイプ「動読」
西川 拓輝(株式会社ソフトディバイス)

PA-33 未知なる関係から短期間で共創マインドが形成されるデザインの可能性
拝野 加奈(札幌市立大学 デザイン学部デザイン学科)

PA-41 着古した剣道着を活用したアップサイクル製品とブランドの提案
竹内 琢真(法政大学大学院デザイン工学研究科システムデザイン専攻)

PB-20 人が魅力的に感じる形状に内在する法則性解明
河崎 太祐(芝浦工業大学大学院)

PB-21 構造色による斬新なデザインの具現化
小野 洋介(神奈川県立産業技術総合研究所)

PB-23 視覚と触知覚の印象差による「意外性」を誘発するテクスチャの開発
岩崎 理樹(千葉大学大学院)

PB-36 死考と弔いを醸成する空間
来田 玲子(札幌市立大学デザイン学部)

PB-38 放課後等デイサービスのマスコットキャラクターの制作と活用方法の研究
中田 千聖(法政大学大学院 デザイン工学研究科 システムデザイン専攻)

第15回(2024年度)日本デザイン学会 第1支部大会 in函館 のご案内(第1報)

第1支部(東北・北海道地区)では、北海道・東北の各所を巡回して大会を毎年開催しています。
2024年は、9月28日(金)、29日(土)に、公立はこだて未来大学で対面開催いたします。
大会の詳細は今後公開予定のWebで説明いたします。日程を事前にご確認ください。

  • 日程|2024年9月28日(土:大会1日目)、29日(日:大会2日目)
  • 会場|公立はこだて未来大学
  • 形式|対面
  • Web|後日公開予定
  • 幹事|公立はこだて未来大学
  • 主催|日本デザイン学会 第1支部
  • プログラム(予定)
    • 研究発表
    • カタリストーク!!(グラフィック・カタリスト*、発表者、観客との対話)
    • 懇親会 など
  • 参加方法
    • 後日公開予定の大会サイトでご案内します。
  • お問い合わせ先(第1支部事務局:札幌市立大学福田研究室)
    • h.fukuda [アットマーク] scu.ac.jp(アットマークを@に変えてください)

グラフィック・カタリストとは?:カタリスト(Catalyst)とは、化学反応を促す「触媒」を表す英語です。研究発表で発表者と観客をつなぐ新しい省察の役割として、2022年度から第一支部会でも取り組み始めました。研究発表を聞いてカタリスト自身の中に生まれた想い・問いを、発表内容と共に紙に記録します。そしてその記録を基に発表者、観客、グラフィック・カタリストが研究を深掘りし合います(カタリストーク!!)。グラフィック・カタリストでの大会参加もお待ちしています。

2024年度 デザイン塾:デザインとデザイン科学のよもやま話 ~車座で語り合おう!何か聞きたいことありますか?~

多摩川アートキャラバン 一般参加者募集!

多摩川アートキャラバン:二子玉川、奥多摩、蒲田エリアで多摩川に関する環境芸術・デザイン
(絵画、グラフィック、写真、映像、ファッション、建築などジャンルは広いです)を制作するワークショップのこと。芸術・デザインが初めての方OKです。
・天気のいい日に多摩川の簡単はスケッチを描いてみよう!
・街散歩に出かけて多摩川の写真を撮ってみよう!
・ソフトを活用して多摩川のイラストを描いてみよう!
・うーん多摩川のCAFÉコーデはどのようなものがいいかな。
・多摩川沿いでピクニックをしてスケッチを描いてみた!
・多摩川Tシャツを作ってみたい!
・子供と一緒に多摩川の色塗りをしたいな!
・多摩川沿いに一戸建ての住宅を設計したいがアイデアスケッチを描いてみたい!
・多摩川の街づくりをしたいのだが、大学や専門家の意見を聞いてみたい!
など多摩川を「環境芸術・デザイン」の題材としてとらえて制作しませんか。
●ジャンルによってはプロの講師、昭和女子大学教員、もしくは学生が付き添い、おしゃべりしながら説明します。
1時間程度の説明と付き添いであとは自由に創作してみてください。
▲作品は承諾を得て、昭和女子大学の秋桜際(文化際)等で展示いたします。
またWEBサイトを構築して展示を行う予定です。また作品集を制作する予定なので掲載をお願いしております。
■参加のご連絡:tadamori@swu.ac.jpまで約1か月前までに連絡をいただき、スタッフが日程の時間調整をして行います。
まずはメールにてお気軽にご連絡ください。環境意識向上指標のアンケーとのご協力をお願いしております。
内容によりスタッフが異なりますので、日時はご相談となります。
2024年6月―2025年3月ごろまで本活動は行う予定です。

第12回 Xデザインフォーラム「カルチャー x チーム x デザイン」 発表者募集

【2024年6月22日(土)開催告知】情報デザイン研究部会 総会@九州産業大学_第7会場

今年度は、主査の交代をはじめ、部会の幹事体制をバージョンアップする年となります。新たな体制は第71回春季研究発表大会・中日6月22日(土)のお昼・12時10分〜12時40分に開催される総会にて協議・決定する予定です。

そのような意味で、6月の全国学会の隠れテーマは「Metamorphose(変身)」と言え、部会の新たな変身を見せられるよう、準備してまいります。
現場のデザインナラティブを大事にする学術コミュニティづくりに興味のある方は、全国大会にて開催されるInfo-Dテーマセッションや総会への参加をぜひご検討ください。[これまでのInfo-D部活動はコチラ

【2024年度 Info-D 総会】
日時:2024年6月22日(土)12:10〜12:40
場所:第7会場(2E407教室(2号館4階))

文責:横溝賢(Info-D主査)

【情報デザイン研究部会】2023年度 活動報告のまとめ

◯2023年度 第70回春季研究発表大会までの準備と運営報告

2023年度の活動は前年度の部活動を下地に展開しているため2022年度の活動概略を前置きとして報告する。2021年7月から始めたInfo-Dマンスリー部活動・オルタナティ部は、2022年度末までに延べ20回実施された。詳細は学会サイト(http://jssd.jp/8985)を参照されたい。

その間に議論されたデザインのIssue(議論すべき問い)は、教育から組織変革、社会システム、環境社会まで裾野を広げ、いずれも現場で生起する実践者の生々しい経験に基づく〈足元のWHY(問い)〉を掘り下げる研究活動であった。実践領域は違えど、オルタナティ部活動では、自己と環境(社会システムや自然世界)の相互的な知覚運動によって形づくられる〈環世界〉を一貫して捉えようとしていた。一連の部活動を通じてInfo-Dには、部会メンバーのデザイン知の所在を協働的に探索できる研究風土が育まれてきたと言える。

2023年度第70回春季研究発表大会の活動報告

2023年度の全国大会・第70回春季研究発表大会(芝浦工業大学)では、【足元のWHYを問い直すデザイン】と【デザイン実践者が見ている環世界】の2つのテーマセッション(以下、TS)を企画した。2つの企画内容はオルタナティ部活動で見出した2つの本質的Issueを骨子としている。とりわけ「環世界」はデザイン学会では馴染みのない言葉であることから、初日6月22日(金)のOpen SIGにて「微生物と共生するデザイナの環世界」についてビジュアル議論するオープンラボを企画開催した。この会を運営したメンバは、荒石磨季(小部会【微生ぶつぶつ会】部長/シャープ(株)),陳樹全(札幌市立大学),ガブリエル・ラスク(中京大学),宮田義郎(中京大学),横溝賢(札幌市立大学),中島郁子(女子美術短期大学),三河侑矢((株)Earthist),安武伸朗(常葉大学)となる。

Open SIgの様子

6月23日(土)・2日目はTS1「足元のWHYを問い直すデザイン」を開催。セッション発表件数は11件。事業成果が第一に求められる社会において、実務と実践の根幹的問いの探索への関心の高さの現れなのか、同日の午前・午後に実施したセッション会場は立ち見の参加者が出る満員状態であり、常時100人超の参加者が集まるほどの盛況であった。Info-Dでは第65回大会(2018年・大阪工業大学)より、セッションにもち寄られた実践研究を串刺しで議論する場として、ディスカッションタイムを20分設けている。2023年度は4年ぶりに登壇者らが対面でディスカッションする場が設けられ、他者の実践に自己の経験を重ねることから、互いの「デザインの熱源」をわかちあう対話が生まれていた。

6月24日(日)・3日目はテーマセッション2「デザイン実践者が見ている環世界」を開催。セッション発表件数は9件。本セッションのキーノートは小部会【微生ぶつぶつ会】メンバーが担当し、環境と身体の相互性をメタ認知する工夫として酵母の風味を知覚体験するパフォーミングアートをおこなった。酵母の甘酸っぱい香りがほのかに漂う会場で、微生物という見えない存在に想いを馳せながら発表者の環世界を考えるセッションを展開し、最後のディスカッションタイムも登壇ステージの黒板を使って議論をその場で可視化。会場参加者らと共に知的欲求の熱を帯びた議論を展開することができた。

◯2023年9月移行の活動報告
全国大会以後の活動を以下に報告する。

◉2023年9月16日−17日
中島郁子氏(Info-D幹事/女子美術大学短期大学部)の企画により、小部会【生活世界のことば】スピンオフイベントとして「デザイン論@三条ものづくり学校」が燕三条市にて開催された。このイベントには、「生活世界のことば」小部会部長の木村篤信氏((株)地域創生Coデザイン研究所)がゲストスピーカーとして参加し、同市地場産業の担い手らとコト「リビングラボ」×モノ「デジタルファブリケーション」×ヒト「人々をとりまくデザイン環世界」をテーマに、互いの研究、知見を参考にしながら、「今後どのように地域に活かせるのか」「実装するには何が必要か」をテーマに議論した。

◉2023年11月17日 ナラティブ編集室(仮)立ち上げ

デザイン学のもう一つの可能性をメディア化・出版することを目的に編集室(ナラティブ編集室(仮))を立ち上げた。

◉2023年12月9日−10日 小部会【微生ぶつぶつ会】MTG@共創学会

小部会【微生ぶつぶつ会】ミーティングを共創学会第7回年次大会(茨城)にて実施。

◉2023年12月15日 第1回ナラティブ編集室の企画会議

第1回ナラティブ編集室の企画会議を開催し、オルタナティ部活動の議論をとりまとめ、Info-Dの現在地を示す特集号を企画刊行することが決まった。

→その後、企画がまとまり、多様な現場で実践しているデザイナが見ている環世界をテーマにした特集号を特集号を2025年2月に刊行する予定で現在執筆・編集を進めている。

◉12月27日 本読み会:D.A.ノーマン氏の近著「より良い世界のためのデザイン 意味、持続可能性、人間性中心(新曜社)」

D.A.ノーマン氏の近著「より良い世界のためのデザイン 意味、持続可能性、人間性中心(新曜社)」を読んで、情報デザイン研究部会活動を相対化する本読み会を開催した。

本読み小部会は、その後、第71回春季研究発表大会のオーガナイズドセッション(2023年6月23日(日))「Why人間『性』中心デザイン?:私たちは人間中心デザインの道を抜け、人間「性」中心デザインの原野に立てるのか」企画へと展開し、ノーマン氏の近著を題材に公開議論する予定である。

◉2024年1月〜3月

Slack上で主に以下の情報について意見交換が行われた。

・各大学の卒業制作・研究展参加報告、意見交換

・ノーマン氏近著「より良い世界のためのデザイン」本に関する意見交換

・2024年度全国大会のテーマセッション企画についての意見交換

文責 横溝賢(Info-D 主査)

公開講座「エフェクチュエーションとクリエイティブの交差点」参加募集(会場/ オンライン)