部会研究目的

アジアのデザインが経済発展と共に急速に進化している。カンボジア・ミャンマー・ラオスなどの東南アジア奥地でも人口増加と共に独自の進化の過程をたどり、現代デザインに拍車がかかっている。ベトナムなども共産主義国として内戦含め独自の歴史と共に進化を加えてきた。モンゴルなどの中央アジアでも都市開発と共に映像、広告、アプリ開発など盛んにデザインが研究なされている。韓国では日本と同様にライフデザイン、ソーシャルデザインなどモノづくり系のデザイン以外も積極的にデザインというキーワードを使っている。しかしながらどの国でどのようなデザインが存在しているか集積したデータがそれほどあるとは思えない。先進的・歴史的なアジア地域のデザインの事例を調査し多角的に分析することで「アジアデザイン」の領域概念を整理する。またそれらを公表することでデータベースとし顕在化を図る。

アジア地域のデザインは歴史、民俗などが関連しながら発展している一方で強力な経済発展と共に急速な欧米化が進みアジア的な個性の存続が危惧される。各国家の現状を理解し、地域・風土性を生かしたアジア的個性を研究・開発し促進させる。

一例としてカンボジアは首都プノンペンを中心に急速な人口増加と経済発展がおこり、それに伴い計画性の乏しい乱立した都市開発が行われている。その結果,都市景観の悪化、歴史的建造物の破壊、観光的資源の損失、地域・風土性のノスタルジー紛失など様々な問題が生まれている。これらの背景にはカンボジアには地域地区が存在しないことがあげられる。「地域地区創成の研究」を行い地域・風土性を保存する地域と高密度開発する地域を分別し提案することで計画的な都市デザインが生まれる可能性を持つ。このように現状で起こっている諸問題を解決し、社会をより推進しうるデザイン研究・開発を行う。

さらにアジア地域との比較を取り入れ日本のデザインをさらに進化させる、また各国の進化したデザイン領域から日本のデザインが学ぶべきことは多々ある。その際アジアの人々と活発に交流し国際協力を行う。

部会研究内容

本研究部会は、上述のようなアジアデザインの「顕在化・研究・開発」を行うことで、デザイン学の発展に寄与したいと考える。

1) 先進的・歴史的なアジア地域のデザインの事例を調査し多角的に分析することで「アジアデザイン」の領域概念を整理する。その成果を学会発表、WEB掲載等をおこなうことで顕在化を図る。

2) 地域・風土性を生かしたアジア的個性を研究・開発し促進させる。また現状で起こっている諸問題を解決し社会をより推進しうるデザイン研究・開発を行う。

運営委員

主査:藤澤忠盛

昭和女子大学 環境デザイン学部、同国際文化研究所

アジアデザイン・アート展覧会コンソーシアム代表

幹事:

オオニシタクヤ  株式会社 ENERGY MEET 共同代表

葛原俊秀     東京工科大学 デザイン学部

中山定雄     静岡文化芸術大学 デザイン学部

清水淳史     九州大学大学院 統合新領域学府

中村英誉     一般社団法人Social Compass 理事長

貝塚乃梨子    一般社団法人Social Compass 理事

土井智喜     and Associates 代表

お問い合わせ

tadamori@swu.ac.jp

年会費 無料