Xデザイン学校公開講座:大人の自由研究のはじまりかた(オンライン)
■要旨:
さまざまな社会人向けデザインスクールが設立され、最新のデザイン動向やリサーチ手法などの知識を得られる場が増えました。ですが、スクールで多くのことを得ても、関われる案件がない、職務が違う、などの理由でせっかく得た経験をアウトプットにつなげられず、眠らせてしまっている人も少なくありません。
人が生涯をかけて学び続けていくためには、目の前の業務に縛られずに、ともに学び合える仲間とともに自分を変容させていく、自主的なプロジェクトをつくることが大事なのではないでしょうか。たとえば、これまで蓄積した経験やスキルを発展させるべく、生活の中にあるものを探究の題材と捉えてみること。誰かに頼まれるのではなく、好奇心の赴くままに面白がってみること。いわば「大人の自由研究」のような場です。
そのような試みを行っている事例として、今回は、実際に異業種による自主的な共同研究「タオル探究プロジェクト」に取り組んでいる人類学者の比嘉夏子さんとマーケターの渡辺隆史さんに話題提供を頂きたいと思います。
2人はなぜ、どうやって、「タオル」という身近な題材に行きついたのか。日頃使い慣れた手法をあえて手放し、どのように進めているのか。そこにはどのような意味があり、何が深められているのか。そうした一連のプロセスは、今日からでもはじめられるプロジェクトや研究に、大きな示唆と勇気を与えてくれるでしょう。講座の最後にXデザイン学校2022年度コースの説明いたします。忙しい週末の夜になりますが、ご関心をおもちのみなさま、ぜひふるってご参加ください。
■ ⽇時:1月14日(金)19:00~21:20(開場 18:50)オンライン
■ 主催:X デザイン学校、X デザイン研究所
■ 協力:⽇本デザイン学会 PD 部会
■ 参加費:⼀般 1000 円
■詳細および申込み:http://ptix.at/UMXI4A
■プログラム
19:00-19:05 大人の学びと研究
山崎和彦(Xデザイン学校共同代表 /武蔵野美術大学教授)
19:05-19:10 大人の自由研究について
上平崇仁(Xデザイン学校講師/専修大学教授)
19:10-19:20 「タオル探究プロジェクト」の概要
渡辺隆史(UCI Lab.合同会社 代表)
比嘉夏子(北陸先端科学技術大学院大助教)
19:20-19:45 「『研究』のひらきかた」
比嘉夏子(北陸先端科学技術大学院大助教)
19:45-20:10 「『プロジェクト』のくずしかた」
渡辺隆史(UCI Lab.合同会社 代表)
20:10-21:00 ディスカッション
(比嘉夏子・渡辺隆史・山﨑和彦・上平崇仁)
21:00-21:20 Xデザイン学校2022年度コースについて(山崎和彦)
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■話題提供者
比嘉夏子(北陸先端科学技術大学院大助教)
人類学者。博士(人間・環境学)。北陸先端科学技術大学院大学知識マネジメント領域助教。株式会社HUB Tokyo顧問。ポリネシア島嶼社会の経済実践や日常的相互行為について継続的なフィールドワークを行なうほか、企業等の各種リサーチや共同研究に参画。著書に『贈与とふるまいの人類学―トンガ王国の〈経済〉実践』(単著、京都大学学術出版会)『地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場』(共編著、ナカニシヤ出版)などがある。最近では、人類学者の目を人々や組織にインストールすることを掲げたユニット「メッシュワーク」を設立し、積極的な活動を展開している。
渡辺隆史(UCI Lab.合同会社 代表)
UCI Lab.合同会社 代表・所長,経営修士(専門職)。マーケティングプランナー/リサーチャーとしてキャリアをスタート。2008年ごろから商品開発や新事業開発のプロジェクト支援に業務を移行させる。2012年に株式会社YRK and内の社内起業としてイノベーションエージェント「UCI Lab.」を自ら立ち上げ、2021年9月に独立分社化。UCI Lab.では、主に国内メーカーをクライアントに様々なテーマで「少し未来のユーザー体験をつくる」プロジェクトを協働的かつ研究的態度で実践している。その日々の格闘は、著書『地道に取り組むイノベーション』(共編著、ナカニシヤ出版)に詳しい。