教育部会:デザイン教育研究会2012年度_vol.1のご案内
下記要領にて「デザイン教育研究会 2012年度_vol.1」を開催いたします。
毎年2〜3回のペースで研究会を実施しておりますが、今年度は「基礎デザイン」をキーワードに企画を進めて参ります。
このテーマは常々話題に上がりますが、年代やそれぞれの立場によって「基礎デザイン」についての概念、捉え方は異なるように思います。変化の早い情報化社会を日々送っている我々として、あえてこのテーマに向き合ってみたいと思います。
尚、本研究会はデザイン、美術、工芸、などの教育現場に携わる方、デザイナー・クリエーターの方、そしてそれらを目指す若い学生、関心のある方はデザイン学会の所属に関係なく、どなたでも自由に参加していただけます。是非お誘い合わせの上、お気軽にお越し下さい。
デザイン教育研究会2012年度_vol.1
テーマ:デザインの基礎と基礎デザイン−大学教育における基礎という考え方を再考する
発表者:森 香織(日本大学芸術学部デザイン学科)
日時 :2012年6月29日(金) 18:00〜20:00
会場 :日本デザイン専門学校 渋谷区千駄ヶ谷5-7-3
教職に就いて25年経ちますが、デザイン教育を取り巻く環境は激変し、デザインという言葉と概念は、造形や美術の分野においての「もの」をクリエイションする行為を示す言葉から、企画設計構想など、情報や要素を集めてシステムを組み立てサポートしていく「こと」に移行しています。
PCの導入普及という環境の変化に留まらず、昨年の大震災や景気など諸々の社会状況を鑑み、大学教育として変えてはならず残していくものと、時代の必要性やテクノロジーの進歩、学生自体の変化に呼応して積極的に新しいものに変えていくものとを総括すべき時に来ていると考えます。
現在勤務している日本大学芸術学部デザイン学科は、この春、コース制を廃止してカリキュラムを一新し、入試方法も全く変え「デザインのできる人材」の発掘と教育に方向を変えました。その作業の過程を通じて「基礎」と一括りにしていても、「デザインを学ぶ為の入門編としての基礎」と「デザインという幅広い分野を学問として成り立たせる為の基盤の分野」について再考する必要性を実感しています。
併せて昨今、美術造形教育から出発したデザイン教育と、エンジニアリングのようにPCをツールとすることで他の分野から出発したデザイン教育が混在して来ています。また、日本の国自体がものつくり大国からクールジャパンのようなコンテンツ産業に活路を見出す方向にシフトしている様相は、デザイン教育に携わる者にとって立ち止まって再考せざるを得ない状況です。
日本大学の例や韓国でのデザイン基礎教育の変化の話、基礎デザイン学会で討論されている「基礎デザイン学」との関連や接点などを中心にお話させて頂く予定ですが、皆様が日頃感じていらっしゃる諸々の問題点と繋がりのあるテーマだと思います。私の問題提起をもとに皆様の忌憚ないご意見を伺えることで、教育部会からの発信のきっかけになればと思います。
[発表の構成]
1:日本大学での新しい試み(芸術学部デザイン学科と生産工学部創生デザイン学科)
2:デザインの基礎と学問としての基礎デザイン
3:将来に向けて、大学教育の中で残していくものと変えざるをえないもの
【会場へのアクセス】
日本デザイン専門学校 渋谷区千駄ヶ谷5-7-3
http://www.ndc.ac.jp/info/accessmap.html
JR代々木駅または千駄ヶ谷駅 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線代々木駅 徒歩5分
東京メトロ副都心線北参道駅 徒歩3分
問合せ 日本デザイン専門学校 金子武志(教育部会・主査)
TEL03-3356-1501 E-mail kaneko(a)ndc.ac.jp *@マークに置き換えてください