案内:デザイン教育研究会2013年度_vol.2

教育部会 : デザイン教育研究会2013年度_vol.2のご案内

下記要領にて「デザイン教育研究会 2013年度_vol.2」を開催いたします。
今年度は「教養としてのデザイン」をテーマに掲げ、その2回目の研究会となります。
現代社会ではより一般生活者の中に「デザイン」が意識され、その範囲は年齢やジャンル、地域を越えますます広がってまいりました。デザインの専門性に関わらず、造形や伝達表現の技術的な側面以上に、従来のデザインワークに含まれていた発想や問題解決の方法論などが、社会生活の様々な場面で共有すべき、身につける必要能力であるという認識が高まってきたようにも思います。
「教養」をどの文脈で捉えて語るかは簡単なことではありませんが、立場や経験の異なる方々が集まり、意識の交換が積極的に行われる中で、某かのヒントや可能性を感じていただければ幸いです。 
教育部会主査/金子武志

テーマ「高校・専門学校のデザイン教育における教養とは」
発表者 森中香奈子(東京都立工芸高等学校デザイン科教諭、鶴見大学文学部文化財学科非常勤講師)
日時  2013年9月20日(金) 18:00 〜20:00
会場  東京都立工芸高等学校 視聴覚室 〒113-0033 東京都文京区本郷1-3-9

今回のテーマである“ 高校デザイン教育における教養” について考察するにあたり、実例として工芸高校デザイン科3学年対象教科「デザイン史」の授業内容を挙げたい。これは実技教科に対して“ 座学”と呼んでいる教科のひとつであり、受験科目でもなく、大半の生徒達にはその必要性を感じられない教科である。しかし、教員である私にとって座学の使命とは、高卒就職した本校卒業生が現場で困らない為の“ 教養”、即ち同僚やクライアントとの共通言語を少しでも多く持たせて、生徒達を社会に送り出す事と考えている。
従って「デザイン史」では、“ 授業で得た知識を自らのデザインソースとしてどう生かしていくか? ” を問う課題を設定し、デザイン史の学習内容をなるべく実技教科に近づけるよう工夫している。実例としては、史実に対する正確なリサーチを基に考察を行う、レポートとイラスト制作の課題や、美術史上の任意の様式をリサーチし、ミュージアムショップの商品等を想定したプロダクトデザインを行う課題を、各学期に一つ課している。こうして生徒と共に “ 座学→創造の実学” を目指した授業づくりを行ってきた。その4年間に亘る課題と作品例を紹介し、高校生に与えたい教養について考えたい。

森中 香奈子(もりなか かなこ)
2006 年鶴見大学文学研究科文化財学専攻博士後期課程修了後、同科非常勤講師。2007 年より東京都立工芸高等学校デザイン科教諭。

【会場へのアクセス】 会場が前回と異なります。ご注意ください。
東京都立工芸高等学校 視聴覚室  
〒113-0033 東京都文京区本郷1-3-9 http://www.kogei-tky.ed.jp/
JR 総武線「水道橋」駅下車 東口より徒歩3分  都営三田線「水道橋」駅下車 徒歩2分

ご案内:bukai02_130821.pdf(587k)

毎年3~4回のペースで実施されるこのデザイン教育研究会は、幼稚園から大学・専門学校に至るデザインや造形教育に携わる先生方をはじめ、デザイナー、クリエーター、研究者、学生など、様々な立場の方々が交流できる自由な場です。
座談会の形式を予定しておりますので、教育現場に携わる先生方やデザイン、教育に関心のあるデザイナーや作家、学生の方々など、お誘い合わせの上どうぞ、多数の参加をお待ちしております。本研究会はデザイン学会の所属に関係なく、どなたでも自由に参加できます。

問合せ 東京都立工芸高等学校 森中香奈子(教育部会・事務局)
TEL03-3814-8755 E-mail morinaka_k(at)kogei-tky.ed.jp