【開催告知】情報デザイン研究部会 Open SIG(6/27・金)& 総会(6/28・土)@札幌市立大学

お手元に届いた特集号「環世界のまんなかでデザインする」はお読みいただけましたか? Info-Dの数年間にわたる「顔の見える人びとと共にデザインする」実践に環世界というスコープを設けることで、さらにふつふつと浮かんではつながり合う関係をひとまず言葉にした一冊です。

こうした視点が産業や教育の現場に広がる可能性もさらに探究したいと考えます。ぜひご参加ください。
 

【2025年度 Info-D Open SIG】

  • 日時:2025年6月27日(金)17:15〜18:15
  • 会場:サテライトキャンパス 16F 1614大研修室
  • 内容:2つのテーマによるオープンディスカッションを公開
    • 特集号「環世界のまんなかでデザインする」より
      執筆経過を共有して変容する、生成的な論考のあり方を語り合う
    • セッションを一人称で記録すると見えてくる気づき

【2025年度 Info-D総会】

  • 日時:2025年6月28日(土)12:30~12:50
  • 会場:C201(口頭5会場)
  • 内容
    • Info-Dの活動趣旨、入会方法など
    • 2024年度活動報告 https://jssd.jp/10713
    • 6月27日(金)のOpenSIG概要報告
    • 7月12日(土)「ジェナラティ部vol.2」Onlineセッションのご案内(春季大会リフレクション)
    • 8月9日(土)「ジェナラティ部vol.3」Onlineセッションのご案内
    • Info-Dの懇親会案内

2024年度活動の報告 情報デザイン研究部会

情報デザイン研究部会(Info-D)は「情報デザインがユーザーの問題を解決する方法である」という硬直した思考をあらためて問い直し、顔の見える人びとと共にデザインする実践を続けてきた。一連の活動が2つに展開したのが2024年である。1つは環世界というスコープを用いた実践のアーカイブ化であり、17名の執筆者による論考をによる特集号を刊行した。これは第71回春季研究発表大会のTS、OSとも連続している。もう1つはオンラインセッションを再開し「ジェネラティ部」として、研究者による一人称研究と産業界における実践を相対化しながら新たな知の生成を目指す試みである。以下に具体的な活動を報告する。なお2024年度より主査が安武伸朗(常葉大学)、副査が大草真弓(成安造形大学)に交代した。部会員94名(2024年5月1日現在)である。

・第71回春季研究発表大会の活動

2024年度の研究発表大会(九州産業大学)では、TS1【デザインのアフォーダンスを問い直す】18件、TS2【デザインの実践者が見ている環世界】13件、計31件を数えた。「環世界は身体と環境との相互作用に向けられた、より内的な視点であるのに対して、アフォーダンスはそれを形作る主体として能動的な行為の視点」(横溝・札幌市立大学)であり、2つのテーマが表裏一体となることでデザイン活動をリデザインする論点がより明らかになったと考える。両セッションともに座長、副座長1名ずつ、計2名で運営することで発表をメタ視点で捉えることを試みた。発表後に20分のディスカッションタイムを設け、複数の登壇者たちの気づきを串刺しにする論点を提供しつつ、参加者とともに議論を豊かに展開している。

また6月22日(金)OPEN SIGを開催し、中島氏(女子美術大学)を中心にセッションに関するリアルタイムドキュメンテーションのあり方を協議した。記述者が主観的に受け止めた印象を中心に記録しセッション会場に次々に掲示することで、デザインの知を深める議論を誰でもが参照できる記録として振り返る試みであり、登壇者と参加者、記述者の理解が会場内で編まれてさらに新たな問いを生みだすといった、「わからない」ことを豊かな手応えと捉える、研究部会の姿勢の現れといえる。

特集号「環世界のまんなかでデザインする」vol32-1 111号の編集と発行
デザイン学のもうひとつの可能性を探究する「オルタナティ部」の活動を基盤として2023年よりナラティブ編集室を立ち上げた。編集長を宮田義郎(中京大学)が務め、17名による一連の実践研究の論考を特集号として2025年5月に刊行した。本研究部会が20余年にわたるさまざまな社会実践から獲得した態度を「世界を私と切り離して見る科学的眼差しではなく、〈いま・ここ〉を生きる世界の主体として、自己と環境の相互的な関わりをわかろうとする『環世界』という眼差し」(横溝)に収斂させ、一人称でデザイン知の可能性を捉えたナラティブが収録された。また編集の過程では各々の記述を語り合うことで論点がメタ化され、さらに知が構造化される工程の特殊性も新たな研究の種となりつつある。

巻頭言:環世界のまんなかでデザインする(横溝賢)
誰もがデザインする社会をめざして(原田泰)
デザイン教育者の環世界(富田誠/上平崇仁/福田大年)
リフレクションが拓くデザイン実践の意味(瀧知惠美/小早川真衣子/須永剛司)
道具を作る環世界とその意味(宮田義郎)
現場のナラティヴと社会システムを往還する共創実践者の環世界(木村篤信)
情報デザインと環境倫理に橋を架ける(二宮咲子/吉永明弘)
ビジネス世界と生活世界を往還する若手デザイナーの環世界(海野真梨菜/木下菜穂)
微生物との共生から生まれる流動的な世界の見方(荒石磨季/宮田義郎/ラスクガブリエル/横溝 賢)
構成的行為としての環世界のデザイン(中島秀之)
Info-Dの〈デザイン環世界〉を描く(中島郁子)

問いや知性を育むオンラインの場の再開 ジェネラティ部vol.1
11月29日(金)オンライン
ヘルスケア・コミュニティの領域において地域社会でサービス事業を進める中野優氏(阪急阪神ホールディングス株式会社)が活動を紹介し、生活世界と事業構想のあわいについて参加者と対話を行った。同社はシニアと市民、自治体という多様な関係者を対象とするとともに、認知症予防とコミュニティづくりという社会課題や自社の小売事業や移動事業の活性化という産業の視点を包括的に捉える実践を進めている。いわばミクロの問題とビジネスを繋げる同社の姿勢や、自治体の態度について問いを交わした。

【もちよ〜る】Info-D(情報デザイン研究部会)懇親会 2025のご案内

日本デザイン学会第72回春季研究発表大会2日目の夜に、【もちよ〜る】Info-D(情報デザイン研究部会)懇親会 2025を開催いたします。

対話中心の濃密な時間にしたいと思います。「シェアしたいナラティブ」「研究発表のふりかえり&準備」など楽しい話題と、「ご自慢のご当地グルメ(※任意)」を【もちよ〜る】会です。ぜひ、ご参加ください。

参加ご希望の方はPeatixよりお申し込みをお願いいたします。https://peatix.com/event/4419885

  • 日時:2025年6月28日(土)19:30〜22:00
  • 会場:bokashi Base https://bokashi.ink/#bokashibase
    北海道札幌市中央区南二条西1丁目7番地1 二番館ビル bokashi 2階
    大通駅35番出口徒歩0分、カナリヤ向かい、1Fはbokashi Diningという飲食店
  • 参加費:学生2,000円、一般3,000円
    ※お食事:札幌ご当地B級グルメ中心の軽食をご用意します。
    ※お酒・お飲み物は各自でお持ち寄りください。
     (近隣にコンビニあり 簡易食器・お箸はこちらで用意します)
  • 先着50名
  • 参加申込締切:6月28日(土)13:00
    人数に達した場合は締切日前に申込終了となります。お早めにお申し込みください。
    申込後にキャンセルされる場合は6月24日(火)13:00までにご連絡ください。

全体の懇親会と時間が被ってしまいますので、アンケートで両方/片方に出席されるかどうかをお聞きして、先に到着された方たちとゆるゆる始めます。

【11.29 fry 20:00–21:30 開催案内】 Info-D ジェネラティ部 vol.1 「生活世界と事業構想のあわい」

みなさま、ご案内させていただきます。今回はInfo-D主査の安武が(かすかに)関わっている、「シニア向けに自治体と企業が進めているコミュニティ創出の試み」の意味について、いろんな観点から皆さまと考えてみたいと思い企画しました。ゲストに実践者である企業の方をお招きします。金曜夜の時間ですが、お集まりいただけますと嬉しいです。
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vol.1テーマ 生活世界と事業構想のあわい
部長:安武伸朗(常葉大学・Info-D主査)ゲスト:中野 優 氏(阪急阪神ホールディングス株式会社 グループ開発室、株式会社ウェルビーイング阪急阪神 コミュニティ事業部、株式会社iop都市文化創造研究所)
日時:2024年11月29日(金)20時〜21時30分
場所:オンラインZOOM

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いま、事業者や生活者が互いに知恵を出してしくみをつくり合う場が増えています。Info-Dは「環世界:実践する人や人以外の生態学的な営みの探求」と「アフォーダンス:社会や環境と人の間の関係性の探求」の実践を語らうことで、デザイン知の探索と構造化を目指してきました。さらに産業界や自治体の実践者の方の知見から、より包括的な知恵を探したいと思います。

そこでジェネラティ部vol.1では「生活世界と事業構想のあわい」という観点で、ヘルスケア・コミュニティの領域において地域社会でサービス事業を進める中野優さんに話題提供をお願いしました。

中野さんは「堺サンドイッチキャンパス」など、シニアと市民、自治体、自社のほか様々な関係者が自立的に関わりあうコミュニティをつくってこられました。その実践はシステミックデザインに通じる、複雑な課題を包括的に捉えるアプローチに見えます。
お話の後は中野さんを囲んで参加者の皆さんと、安武(info-D主査/常葉大学)、大草(info-D副査/成安造形大学)で議論を深めていきたいと思います。ぜひ一緒に探究しませんか。

※情報デザイン研究部会(info-D)の非会員でも聴講可能です

Vol.1のテーマ、あるいは情報デザイン研究部会(info-D)に関心のある方は、Peatixからお申し込みください。ZoomのURLは当日の朝までにお送りします。
https://infodvol1.peatix.com
(既にinfo-Dの会員でSlackに参加されている方にはSlackからもURLを直接共有しますので、申込みは任意です)

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ゲストプロフィール

中野 優(なかの ゆう)
株式会社iop都市文化創造研究所 マネージャー
阪急阪神ホールディングス株式会社 グループ開発室 事業開発部(ヘルスケア担当)シニアコンサルタント
株式会社ウェルビーイング阪急阪神 健康まちづくり事業部
 ・
1985年京都生まれ。大学で建築設計を専攻し、特に「建てること」そのものより、「建てる前と後」に興味を持つ。
2011年よりiop都市文化創造研究所に参画し、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の立ち上げに携わり、+クリエイティブの視点での社会課題解決を目指し「高齢者」「食」「観光」「福祉」などの様々なプロジェクトの企画運営を行う。
2017年より鉄道会社に出向し、「沿線」という資源を活かしたまちづくり事業の立ち上げと事業開発に携わる。
2023年より現職に復職し、社会課題解決ための種づくりと、それを育てるための場づくりについて考えている。

|主な担当プロジェクト|
クリエイターと子どもがつくるゆめのまち「CREATIVE WORKSHOPちびっこうべ」(2012〜)GOOD DESIGN 2017 BEST100、日本初の介護予防分野のPFS事業「堺あしたプロジェクト」(2019〜)をはじめとした「社会参加を軸とした楽しい介護予防プロジェクト」など。

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▢お問い合わせ

大草真弓(info-D副査/成安造形大学)
Mail:okusa* seian.jp(* を@に置き換えてください)

▢情報デザイン研究部会についてはこちら
https://jssd.jp/about/section-and-branch/information-design-group

【2024年6月22日(土)開催告知】情報デザイン研究部会 総会@九州産業大学_第7会場

今年度は、主査の交代をはじめ、部会の幹事体制をバージョンアップする年となります。新たな体制は第71回春季研究発表大会・中日6月22日(土)のお昼・12時10分〜12時40分に開催される総会にて協議・決定する予定です。

そのような意味で、6月の全国学会の隠れテーマは「Metamorphose(変身)」と言え、部会の新たな変身を見せられるよう、準備してまいります。
現場のデザインナラティブを大事にする学術コミュニティづくりに興味のある方は、全国大会にて開催されるInfo-Dテーマセッションや総会への参加をぜひご検討ください。[これまでのInfo-D部活動はコチラ

【2024年度 Info-D 総会】
日時:2024年6月22日(土)12:10〜12:40
場所:第7会場(2E407教室(2号館4階))

文責:横溝賢(Info-D主査)

【情報デザイン研究部会】2023年度 活動報告のまとめ

◯2023年度 第70回春季研究発表大会までの準備と運営報告

2023年度の活動は前年度の部活動を下地に展開しているため2022年度の活動概略を前置きとして報告する。2021年7月から始めたInfo-Dマンスリー部活動・オルタナティ部は、2022年度末までに延べ20回実施された。詳細は学会サイト(https://jssd.jp/8985)を参照されたい。

その間に議論されたデザインのIssue(議論すべき問い)は、教育から組織変革、社会システム、環境社会まで裾野を広げ、いずれも現場で生起する実践者の生々しい経験に基づく〈足元のWHY(問い)〉を掘り下げる研究活動であった。実践領域は違えど、オルタナティ部活動では、自己と環境(社会システムや自然世界)の相互的な知覚運動によって形づくられる〈環世界〉を一貫して捉えようとしていた。一連の部活動を通じてInfo-Dには、部会メンバーのデザイン知の所在を協働的に探索できる研究風土が育まれてきたと言える。

2023年度第70回春季研究発表大会の活動報告

2023年度の全国大会・第70回春季研究発表大会(芝浦工業大学)では、【足元のWHYを問い直すデザイン】と【デザイン実践者が見ている環世界】の2つのテーマセッション(以下、TS)を企画した。2つの企画内容はオルタナティ部活動で見出した2つの本質的Issueを骨子としている。とりわけ「環世界」はデザイン学会では馴染みのない言葉であることから、初日6月22日(金)のOpen SIGにて「微生物と共生するデザイナの環世界」についてビジュアル議論するオープンラボを企画開催した。この会を運営したメンバは、荒石磨季(小部会【微生ぶつぶつ会】部長/シャープ(株)),陳樹全(札幌市立大学),ガブリエル・ラスク(中京大学),宮田義郎(中京大学),横溝賢(札幌市立大学),中島郁子(女子美術短期大学),三河侑矢((株)Earthist),安武伸朗(常葉大学)となる。

Open SIgの様子

6月23日(土)・2日目はTS1「足元のWHYを問い直すデザイン」を開催。セッション発表件数は11件。事業成果が第一に求められる社会において、実務と実践の根幹的問いの探索への関心の高さの現れなのか、同日の午前・午後に実施したセッション会場は立ち見の参加者が出る満員状態であり、常時100人超の参加者が集まるほどの盛況であった。Info-Dでは第65回大会(2018年・大阪工業大学)より、セッションにもち寄られた実践研究を串刺しで議論する場として、ディスカッションタイムを20分設けている。2023年度は4年ぶりに登壇者らが対面でディスカッションする場が設けられ、他者の実践に自己の経験を重ねることから、互いの「デザインの熱源」をわかちあう対話が生まれていた。

6月24日(日)・3日目はテーマセッション2「デザイン実践者が見ている環世界」を開催。セッション発表件数は9件。本セッションのキーノートは小部会【微生ぶつぶつ会】メンバーが担当し、環境と身体の相互性をメタ認知する工夫として酵母の風味を知覚体験するパフォーミングアートをおこなった。酵母の甘酸っぱい香りがほのかに漂う会場で、微生物という見えない存在に想いを馳せながら発表者の環世界を考えるセッションを展開し、最後のディスカッションタイムも登壇ステージの黒板を使って議論をその場で可視化。会場参加者らと共に知的欲求の熱を帯びた議論を展開することができた。

◯2023年9月移行の活動報告
全国大会以後の活動を以下に報告する。

◉2023年9月16日−17日
中島郁子氏(Info-D幹事/女子美術大学短期大学部)の企画により、小部会【生活世界のことば】スピンオフイベントとして「デザイン論@三条ものづくり学校」が燕三条市にて開催された。このイベントには、「生活世界のことば」小部会部長の木村篤信氏((株)地域創生Coデザイン研究所)がゲストスピーカーとして参加し、同市地場産業の担い手らとコト「リビングラボ」×モノ「デジタルファブリケーション」×ヒト「人々をとりまくデザイン環世界」をテーマに、互いの研究、知見を参考にしながら、「今後どのように地域に活かせるのか」「実装するには何が必要か」をテーマに議論した。

◉2023年11月17日 ナラティブ編集室(仮)立ち上げ

デザイン学のもう一つの可能性をメディア化・出版することを目的に編集室(ナラティブ編集室(仮))を立ち上げた。

◉2023年12月9日−10日 小部会【微生ぶつぶつ会】MTG@共創学会

小部会【微生ぶつぶつ会】ミーティングを共創学会第7回年次大会(茨城)にて実施。

◉2023年12月15日 第1回ナラティブ編集室の企画会議

第1回ナラティブ編集室の企画会議を開催し、オルタナティ部活動の議論をとりまとめ、Info-Dの現在地を示す特集号を企画刊行することが決まった。

→その後、企画がまとまり、多様な現場で実践しているデザイナが見ている環世界をテーマにした特集号を特集号を2025年2月に刊行する予定で現在執筆・編集を進めている。

◉12月27日 本読み会:D.A.ノーマン氏の近著「より良い世界のためのデザイン 意味、持続可能性、人間性中心(新曜社)」

D.A.ノーマン氏の近著「より良い世界のためのデザイン 意味、持続可能性、人間性中心(新曜社)」を読んで、情報デザイン研究部会活動を相対化する本読み会を開催した。

本読み小部会は、その後、第71回春季研究発表大会のオーガナイズドセッション(2023年6月23日(日))「Why人間『性』中心デザイン?:私たちは人間中心デザインの道を抜け、人間「性」中心デザインの原野に立てるのか」企画へと展開し、ノーマン氏の近著を題材に公開議論する予定である。

◉2024年1月〜3月

Slack上で主に以下の情報について意見交換が行われた。

・各大学の卒業制作・研究展参加報告、意見交換

・ノーマン氏近著「より良い世界のためのデザイン」本に関する意見交換

・2024年度全国大会のテーマセッション企画についての意見交換

文責 横溝賢(Info-D 主査)

【情報デザイン研究部会】オルタナティ部「2023年度スパークリング卒業・修了研究!」2024.3.6 実施報告

◉どんな経緯の活動なのか
2022年度好評だった、きらり眩しい若手デザイナーの卒業制作研究を大学間でもちよって、議論しちゃおうという年度末企画。部会メンバーの方々から「あれやらないの?」という声をもらい、2023年度末も実施しました。
部会内で「今年もやりたい!発表してみたい」という学生や教員らからの卒研制作・研究を募り、集まった発表は全部で8件。タイトルを見るとデザインする若者が、デザインによってどのように社会と関わろうとしているのか、その生きるさまが見えてきます。

◉実施の概要

日時:2024年3月6日(水曜)19:20-22:15(オンライン)
参加方法 Zoom ミーティング

  • 挨拶(10分)
  • 発表(160分)8名*(発表10分+質疑10分)
  • まとめ(10分)
  • 懇親・振り返り議論

◉発表プログラム

19:30〜 1)発表者:西川拓輝(東海大学教養学部芸術学科 富田誠研究室 )
タイトル:「動きの誘目性に着目した読字方法のデザイン」

19:50〜 2)発表者:谷口風太(札幌市立大学デザイン学部人間情報デザインコース 福田大年ゼミ)
タイトル:日常の観察と解釈から生まれるキャラクター:「〇〇に見える」パレイドリアを利用したアイデア生成プロセス

20:10〜 3)発表者:吉田旬(千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 小早川真衣子ゼミ)
タイトル:「音を表現のリソースとするコミュニケーションの研究 ー自分の音を発する道具「音たまり」の提案」

20:30〜 4)発表者:佐々木良緒(成安造形大学 芸術学部芸術学科地域実践領域 石川亮ゼミ)
タイトル:「農的暮らしの学びから、来るべき生活のあり方へ

20:50〜 5)発表者:渡辺安梨沙(東海大学教養学部芸術学科 富田誠研究室 )
タイトル:「求められずにはじめる造形活動—関内地域におけるデザインギバーの実践録—」

21:10〜 6)発表者:淺川仁都(中京大学工学部メディア工学科 宮田義郎研究室)
タイトル:「食資源循環プロジェクトのための取り組みへの行動を促す方法について」

21:30〜 7)発表者:佐々木皓大(公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 元木環研究室)
タイトル:「DIYにより自分たちの場が創られたデザイン実践の考察」

21:50〜 8)発表者:伊藤悠貴(札幌市立大学大学院デザイン研究科 横溝賢ゼミ)
タイトル:消滅可能性農村の生活世界を縁あわせる活動のデザイン

◉スパークリング卒研をおこなってみて
大学4年間の学びの成果を形にする活動としての卒業制作・研究、略して卒研。デザインの卒研に取り組む学生と教員の願いは、社会のさまざまな現場の中でデザインの知恵と技を繰り出して動けるようになることではないでしょうか。しかし熾烈な就職活動と並走するためには、卒研の計画を十分に立てて合理的に進めることが必要とされるのも現実です。本来、デザインの実践知は合理性の通じない状況下で知的に構成されるものですが、卒研がそのような状況を作りにくい制約があるなかでも、今回参加した8人の若者(とその指導教員)たちは、各々にとっての未開の現場があり、その場を踏み歩んでいくデザイン実践に取り組んでいました。そのような実践から得られた知見は参加した部会員にとっても勇気づけられる内容でした。スパークリング卒研は、参加した教育者らが実践研究の指導方法を学び合うような場にもなっており、次年度も継続して実施していきたいと考えています(文責:横溝賢 Info-D主査)。

【情報デザイン研究部会】オルタナティ部〈vol.9-vol.20〉活動報告のまとめ

情報デザインの地平から、デザイン学のもうひとつの可能性を探究する場:オルタナティ部
2022年3月~2023年3月までに行われた部活動を報告します。

オルタナティ部活動とは→

オルタナティ部vol.09テーマ
情報デザインと環境倫理に橋を架ける

◉部長:二宮咲子(関東学院大学) 
◉日時:2022年3月12日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.10テーマ
足元のWHYを問い直す~時間が生み出す構造をとらえて持続可能な社会をかたちづくる」の準備運動!

◉部長:木村篤信(地域創生Coデザイン研究所)
◉日時:2022年5月14日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.11テーマ
足元のWHYを問い直す~時間が生み出す構造をとらえて持続可能な社会をかたちづくる」学会OS

◉部長:木村篤信(地域創生Coデザイン研究所),由井真波((有)リンク・コミュニティデザイン研究所),横溝賢(札幌市立大学),元木環(公立はこだて未来大学)
◉日時:2022年6月25日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

2022年7月 小部会「生活世界のことば」たちあげ:
人びとの生活世界に潜在することば(コミュニケーション)を記録する方法や、社会シ ステムに伝わる言葉に転換していくデザインの可能性を探る小部会を立ち上げました
◉部長:木村篤信(地域創生Coデザイン研究所)、横溝賢(札幌市立大学)
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.13テーマ
実践研究へのめざめ①横溝実践~そもそもなんで実践を研究にしようとしてるの?~

◉部長:横溝賢(札幌市立大学)
◉日時:2022年7月9日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.14テーマ
微生ぶつぶつ研究→小部会「微生ぶつぶつ会」たちあげ 微生物との共生を自覚している生き方について探る

◉部長:荒石磨季(シャープ(株))、宮田義郎(中京大学)
◉日時:2022年8月13日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

参加者個々人の微生物との共生のかたちがMIROにもちよられた

オルタナティ部vol.15テーマ
情報デザインの航海図を描こう!オンライン

◉部長:上平崇仁(専修大学)
◉日時:8月24日(水) 20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部リアル・ワークショップテーマ
情報デザインの航海図を描こう

第1世代のナラティブをのこすこと。生活世界と社会システムを往還する情報デザインを探求する
◉部長:上平崇仁(専修大学)
◉日時:9月6日(火)10時〜18時
活動レポートはこちら→

オルタナティ部スピンオフ
「デザインとアートとビジネスのあわい」神谷泰史さん(情報科学芸術大学院大学,コニカミノルタ(株))の研究紹介

◉部長:瀧知恵美((株)MIMIGURI)
◉日時:10月29日 20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.16テーマ
「展示デザイン実践のナラティブから論述を目指す第一歩」「デザインのナラティブ」からデザインの研究を立ち上げる道筋を考察

◉部長:元木環(公立はこだて未来大学)      
◉日時:10月8日
◉場所:京都大学

オルタナティ部vol.17テーマ
ゆく年、くる年!パークリング卒研!若者によるフレッシュなデザイン研究をもちよって、揉んで磨こう

参加大学:常葉大学(安武伸朗/In & Out Lab)、坂井田瑠衣(公立はこだて未来大)、横溝(札幌市立大)
>若者、その人の生きることと地続きのデザイン研究が集まった
◉部長:横溝賢(札幌市立大学),元木環(公立はこだて未来大学)
◉日時:12月10日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.18テーマ
ロードオブ美大のデザイン:アート系学校は何をデザインしているの?美大受験生が鍛えたデザイン脳とはなにか?

>人とは違う物事の見方、捉え方をその場で形にできることが美大脳であった
◉部長:中島郁子(女子美術大学)、福田大年(札幌市立大学)
◉日時:1月10日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

オルタナティ部vol.19テーマ
「やって・みて・わかるデザイン:アクティングアウトってそもそも?」三宅由莉さんとのセッション

アクティングアウトって何なんだろう?と、そこにある不確実性を排除しない(むしろ招き入れる)デザインの知について
◉部長:小早川真衣子(千葉工業大学)      
◉日時:1月
◉場所:オンライン

オルタナティ部Vol.20テーマ
大会発表の心ざしもちより会議~No.70春季大会でなに発表する?~

二宮咲子さん(関東学院大学)の社会実践、三澤直加さん((株)グラグリッド)の社会実践は研究になるのか?
>実践者が大事にしていること、1人称の見えを描き出す議論ができていた
◉部長:横溝賢(札幌市立大学)
◉日時:3月11日(土)20時〜22時
◉場所:オンライン

Info-Dオルタナティ部vol.15『情報デザインの航海図を描こう』ワークショップ実施報告

日時=2022年9月6日 10:00~18:00

場所=専修大学生田キャンパス2号館 2F (225-226-227教室) 、1号館4F / 2F

■実施報告

2001年、情報デザインという概念がほとんど理解されていない時代に、情報デザイン研究部会・Info-Dはうまれた。当時開催された秋季大会のセッション「教育カリキュラムから描く情報デザインの地図」の記録を見ると[1]、Info-D第1世代は当初から、『社会』が情報デザインの対象問題issueになることを見据えていた(須永,2020)。その歩みは、産業界、学際的アカデミア、地域社会へと境界を超え、異なる現場の人びととかかわりあう実践によって情報デザイン知を生成する活動であったといえる。しかし、20年のなかで「第1世代がどのように問いを生成し実践をかたちづくってきたのか?」という〈情報デザイン知の道づくり〉をこれまで振り返ることはなかった。そのような経緯から、第15回Info-Dオルタナティ部では、第1世代が向き合ってきた20年におよぶ情報デザイン知の航海史を描き出すことから、次の20年を展望するワークショップを実施した。専修大学・生田キャンパスでおこなわれた航海図ワークショップには、世代を超えて多様な分野からの参加があり、午前の部は資料をもとに20年を振り返る活動、午後の部は4グループに分かれて、情報デザインのこれからの航海地図を描く活動をおこなった。WSを通じて、第1世代が情報デザインという未開の知を拓いていった身体的なエナジーを再び手にしながら、より複雑多様に変化している「いま」と「これから」の社会をかたちづくる情報デザインの可能性を描き出した。(文責:横溝)

[1]岡本誠、須永剛司、両角清隆、渡辺保史、長谷川敦士、原田泰「教育カリキュラムが描く情報デザインの地図−デザインの課題と方法–平成13年度日本デザイン学会函館大会オーガナイズドセッション」から、須永剛司、他編集『情報から次世代デザインを展望する』デザイン学研究特集号35,107-126,2002

■概要

日本デザイン学会情報デザイン研究部会(info-D)が創設されて20年が経過した。その中でいったいどんなことが行われてきたのか。あるいは、研究者たちの実践はどう変わってきたのか。われわれInfo-D第二世代は、その移り変わる様を間近に目撃してきた。次の世代へバトンを渡すために、それらをもう一度見直し、まとめておくことには大きな意義がある。そこで「情報デザイン」を情報デザインすることを試みる。あえてスペースの制約がある「紙のポスター」をアウトプットとして、一日集中ワークショップのかたちで実施する。(文責:上平)

■参加者
横溝賢(主査 / 札幌市立大)
小早川真衣子(幹事 / 千葉工大)
二宮咲子(幹事 / 関東学院大)
福田大年(幹事 / 札幌市立大)
中島郁子(幹事 / wirefactory / 女子美術大学短期大学部)
瀧知惠美(幹事 / mimiguri)
上平崇仁(幹事 / 専修大)
木村篤信(NTT)
富田誠(東海大 / mimiguri)
照井亮(KDDI総合研究所)
西村歩(mimiguri)
三澤直加(グラグリッド)
三河侑矢(札幌市立大学デザイン研究科)
安武伸朗(常葉大学)
深見嘉明(東京理科大学 経営学部国際デザイン経営学科)

■世話人
上平崇仁(専修大)

■主催
日本デザイン学会情報デザイン研究部会

■共催
科研費「態度形成のプロセスに着目した 教育者向けデザイン学習プログラムの開発」

■スケジュール
10:00 集合
10:00 開始
10:00-12:00 概要説明 / 参加者による情報 や歴史の共有 
12:00-13:00 職員食堂(※グループ単位で行くほうがよさそう)
13:00-17:00グループ分け、ブレスト、制作

17:00-18:00 共有とディスカッション

【3.12(sat) 20:00-22:00 開催案内】Info-D オルタナティ部 vol.9 「情報デザインと環境倫理に橋を架ける」

【開催案内】Info-D オルタナティ部 vol.9(オンライン開催)
2022年3月12日(土)20:00-22:00
「情報デザインと環境倫理に橋を架ける」

■ 内容
私たちが生きている21世紀は「情報の時代」とも「環境の時代」ともいわれています。ところが、これまでのところ「情報」と「環境」は別次元のデザインのテーマとみなされ、別物として扱われてしまうことが多かったようです。
そこで、今回のオルタナティ部では「情報デザインと環境倫理に橋を架ける」をテーマに、次の3部構成で、情報デザインの「もうひとつの可能性」について考えてみたいと思います。はじめに、情報デザイン研究部会の幹事で今回のオルタナティ部vol.9企画者の二宮咲子(関東学院大学)が「自然と共に生きる」デザイン研究と教育の実践について報告します。
次に、環境倫理学が専門の吉永明弘さん(法政大学)が「人間中心でない」デザインのいくつかの実例について話題提供します。
最後に、これらの実践や実例を足掛かりとして、情報デザインと環境倫理を架橋することで生まれる、情報デザインの「もうひとつの可能性」について、企画・報告者の二宮咲子と吉永明弘さんと元木 環さん(info-D副査/京都大学)が、参加者の皆さまと共に議論を深めていきたいと思います。情報デザインの岸の橋脚づくり、一緒に始めませんか?

■ 運営
部長 二宮咲子(info-D幹事/関東学院大学)
■ 語らう人たち
橋を架けようとする人:二宮咲子(info-D幹事/関東学院大学)
情報デザインの岸の協力者:元木 環(info-D副査/京都大学)
環境倫理の岸の協力者:吉永明弘(ゲスト/法政大学)
■ 場所(Zoom トピック: info-D)
非部会のかたでも聴講可能です。Vol.9の部活動テーマに関心のある。あるいは情報デザイン研究部会に関心のある方は、下記問い合わせ先から、参加希望等のお問合せメールをお送りください。

お問い合わせ先

小早川真衣子(千葉工業大学 先進工学部 )
Mail:kobayakawa.maiko*p.chibakoudai.jp (* を@に置き換えてください)
情報デザイン研究部会についてはこちら→https://jssd.jp/about/section-and-branch/information-design-group