情報デザイン研究部会 部会(ミニ)開催のご報告

2019/06/29 11:00〜

学会春季大会に参加しているメンバーだけでも集まって顔を合わせたい、という趣旨で「部会(ミニ)」と名付けた会合を設けました。
議題は、主査の交代確認と、今後のコミュニケーションツールの確認、の2件についてです。
主査の交代については、事前のメールでのやり取りで承認された内容の確認です。
その結果、2019年7月からは
主査:横溝賢(八戸工業大学)
副査:瀧 知惠美(ヤフー株式会社)
という新体制で、部会を進めていくことになりました。
コミュニケーションツールについても、事前にメールで議論が交わされ、Slackというツールを使って進めることが確認されました。
今後は、幹事メンバーの選定、部会員名簿の整備、活動方針・活動計画の策定・・・と進めていきます。

【第1支部 第9回研究発表大会 in 秋田~地もとでデザイン~】活動報告

2018年10/7~8  秋田にて第1支部 第9回研究発表大会が開催されました。

● 10月7日(日)会場:秋田大学 鉱業博物館

はじめに、今井忠男先生(秋田大学国際資源学部教授/岩盤工学)による「阿仁鉱山の技術と経済が残した物~秋田文化と工業のつながり~」というテーマの講演がありました。江戸時代前期に開抗した阿仁鉱山にて、地下鉱脈の調査・採掘技術が高度に発展してきた経緯や、金銀銅の河川舟運による、まちづくり・秋田文化の創生についてのお話を聞くことが出来ました。つづいて5名の研究者による口頭発表があり、異なる現場における実践中心の研究発表を聞くことが出来ました。発表は全てグラフィックレコーディングし、懇親会の和やかな雰囲気の中で、グラレコを基ににもう一度、発表内容について議論しました。

JSSD_1st_大会プログラム

● 10月8日(月)会場:旧割烹松下

大会二日目朝9時、約80畳のお座敷に13件のポスターがずらりと並び、ポスターセッションが始まりました。セッションは発表者も質疑に参加できるように2部制に分けて実施されました。今年は、学部生の参加が多く、学生同士の闊達な意見交換が展開されていました。

ポスター発表の次は、秋田が誇る銀銅の金工職人お二人による作品説明がありました。参加いただいたのは、江戸時代前期に刀の柄や鍔(つば)の装飾技術として生まれた木目金の製法を独学で修得した職人さんと、若い感性で伝統に捕らわれない新たな銀線細工を制作している若手職人さんです。お二人とも独自のアプローチで金工技術を探究しており、地物で工芸を極めようとするモノづくりの姿勢や考え方を学ぶことが出来ました。

職人さんの作品紹介につづいて、あきた舞妓さんによる日本舞踊の演舞がありました。実は会場となった旧割烹松下は、明治から昭和初期にかけて繁栄した川反芸者の文化を再び嗜むことを目的にリノベーションされた場所です。

鉱業で栄えた秋田の芸者文化の盛衰と再生のお話を聞き、舞妓さんの演舞による非日常世界にひとしきり浸かった後、10名の実践者によるライトニングトーク(以下、LT)がありました。LTは、「このアイデアどうでしょう?」とか、「やってみたら、こうなったんだけど、どう思います?」など、口頭発表では怖くて聞けないような「問い」を気軽に立てられることが魅力です。10人の軽やかなライトニングトークも、その場でグラフィックレコーディングし、LTの後にグラレコを見ながら参加者と発表内容に関して議論を深めました。そこでも発表者と参加者同士が、デザイン活動の悩みやアイデアについて熱く語りあう風景が、各所に生まれていました。

JSSD_1st_大会プログラム

2日間を通して豊富な鉱脈を有する秋田の鉱業と工芸のダイナミックな相関をリアルに味わい、秋田にすっかり魅了されてしまいました。
また、2日目 旧割烹松下での研究発表では学生と職人さん、舞妓さん、そして教員、社会人の垣根を超え、それぞれのデザイン活動についての知見を交わし深める場になりました。

第1支部大会では、学会活動を地域に開いていくことをコンセプトに大会を開催しています。

2019年度の第1支部大会は「山形!」「幹事校は東北芸術工科大学!」にて日本デザイン学会秋季企画大会と合同で開催いたします。来年度も第1支部・東北-北海道圏域ならではのデザイン知が生まれる場づくりを目指していきます。

 

 

 

 

【2018年 10月7日ー8日】第9回日本デザイン学会第一支部大会 in 秋田のプログラム公開

日本デザイン学会第一支部 第9回研究発表大会のプログラムが確定しました。

口頭発表5件、ポスター発表18件、ライトニングトーク10件の研究発表が集まりました。

研究発表だけでなく、今井忠男先生(秋田大学国際資源学部教授)による、秋田の文化と鉱業のつながりについての講話や、

復活した川反芸者の舞妓さんによる演舞、また秋田銀線細工の工芸職人さんによる作品紹介とお話など、

秋田の地もとのデザインを体感できるプログラムとなっています。

大会プログラムのPDFダウンロードはこちら

https://drive.google.com/file/d/0B6Y-1bRtNvHcV1daR1FpVjJXSXpHbUVvVTJXUzdUMnJDQWlJ/view?usp=sharing

第9回 日本デザイン学会第1支部大会 in 秋田(10/7~8, 2018)開催のご案内

2018年度 第9回目の第1支部大会を10月7日(日)~8日(月)に秋田市(幹事校・秋田大学)で開催します。本年度も「地域に開かれた学会」を活動のコンセプトとし、正会員・学生会員の他、市民活動家と共に、生活世界に生起しつつあるデザインの旬を捉え、旬を味わうための研究交流をおこないます。

第9回日本デザイン学会第一支部大会「大会開催要項」及び「参加申し込み要項」
大会テーマ:地もとでデザイン 

参加・発表申し込みの詳細は開催要項をご確認ください。PDFダウロード→こちら

〇開催日時・会場 : 平成30年10月7日(日)~8日(月)(2日間)

《第1日目》10/7(日)午後2時~午後6時(受付開始:午後1時)

会場:秋田大学附属鉱業博物館講堂(秋田市手形字大沢28−2)

《第2日目》10/8(月)午前9時~正午(受付開始:午前8時)

会場:秋田文化産業施設・旧割烹「松下」(秋田市千秋公園1−3松下)

〇開催メッセージ

鉱山、銀線細工、舞妓。。。一見、関係のないような組み合わせですが、いずれも江戸時代に花開いた「秋田の地」における文化的象徴であり、また当地のデザイン活動の萌芽として、その営みを語る上で欠かすことができない存在です。このような背景のもと、今年度の日本デザイン学会第一支部会研究発表会は「秋田大学附属鉱業博物館」と「旧割烹『松下』」という、秋田のデザイン文化の息吹を感じられる2つの会場で開催することとなりました。「地もとでデザイン」されている数々の事象の紹介を通して、地域においてデザインが果たす役割、そしてこれからのデザインのあり方について考えてみたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしております。

学会会員に限らず、「地域の未来にむけた活動について語りたい、考えたい」というかたは誰でも参加可能です。要項をよくお読みのうえ、お申し込みください。

●参加申し込み締切日 9月27日(木)

●発表申し込み締切日 9月18日(火)まで (9/7 締切から延長しました)

●第1支部大会の更新情報を受け取りたい方は、下記のgoogleフォームに基本情報を登録ください。

https://goo.gl/forms/4tUm59eAX6bs7j2w1

第1支部ウェブサイト→こちら

●「大会開催要項」及び「参加申し込み要項」 のPDFは下記からダウンロードできます。

https://drive.google.com/file/d/18KLJt_aaJvFUavlrLp_eIhaACrlSBO_4/view?usp=sharin

※上記≪1日目≫画像2点秋田大学鉱物博物館サイトより採録

情報デザイン研究会@名古屋を開催しました(報告)

2018年2月26日〜27日の2日間に渡って、情報デザイン研究部会主催の研究会を開催しました。今回のテーマは「身体知」。フィールドワーク、ものづくり体験を通して、デザイン研究当事者としての感性を研ぎ澄まそう、という趣旨で教員、学生が集まりました。
2018年2月26日 10:00-18:00
「覚王山フィールドワーク」
活動拠点:LDK覚王山(愛知県名古屋市千種区田代本通2-1)
企画:諏訪正樹・加藤文俊
参加者:原田、小早川、横溝、元木、宮田、上芝、諏訪、加藤、八城、三野宮、山内、飯塚、堺、下沢、遠藤、望月、山川、久保田、片山、岩田、宮田(こ)
10:00-10:30 オリエンテーション by 諏訪、加藤
「着眼」と「解釈」が重要です、とのアドバイスを受けて活動開始です。

加藤氏、諏訪氏によるオリエンテーション

10:30-15:00 フィールドワーク
9グループ(学生5グループ、教員4グループ)に分かれ、事前に個別に用意した地図を手に、出発しました。

地形の起伏を味わいながら、「気づく」完成を研ぎ澄ませていきます

15:00-16:30 プレゼンテーションの準備
A3用紙2枚程度、を条件に発表会の準備を行いました。写真などはコンビニで出力して、発表資料に貼ります。自分たちの経験を、表現物や採集物を中心において、振り返りながら意味付けを行う時間はとても有意義でした。

写真、メモ、地図を見せあいながら語り合う時間は重要でした

16:30-18:00 プレゼンテーション
グループごとの「着眼」と「解釈」を、各20分(発表5分、質疑15分)で発表し合いました。グループごとに独自の体験や発見があり、「身体で感じた感覚をメタ認知する」ということのヒントを手に入れることができたと思います。

暗渠や舗装路のタイルについての発見でも盛り上がりました

2018年2月26日
「社会実践型ラボラトリー in 豊田市」8:00-21:00
企画:宮田義郎
参加者:原田、横溝、元木、宮田、上芝、安武、八城、三野宮、山内、飯塚、堺、下沢、遠藤、久保田、片山、宮田(こ)
8:00 中京大学(豊田キャンパス)出発
9:30〜12:30(2グループに分かれて活動)
・小原グループ:宮田、原田、元木、片山、飯塚、宮田(こ)
「余語工房」で紙すきによる和紙制作を体験しました。色紙サイズの和紙を、素材のコウゾと対話をしながら味わいました。

色紙サイズの和紙を漉きました

・足助グループ:横溝、植芝、安武、八城、三野宮、山内、飯塚、堺、遠藤、久保田、片山
「足助屋敷」内の鍛冶屋にて、万能ナイフの制作、五寸釘を使ったペーパーナイフの制作などを体験しました。

鉄を鍛える、という滅多にできない体験でした

13:30-14:00
「足助屋敷」運営スタッフから、施設についての概説。

復元された民家で、開設当時は生活もしていたとのこと

14:00-16:00
「足助屋敷」のその他のものづくりの見学、体験。
16:30-18:00
豊田市役所足助支所にて「おいでん・さんそんセンター」所⻑と、まちづくりの活動について懇談の時間を設けていただいきました。30分ほどの「おいでん・さんそんセンター」プレゼンテーションの後、質疑応答形式で情報共有を行いました。

足助は地域の活性化にかなり積極的に取り組んでいました

19:00-21:00
ころも農園(愛知県豊田市桜町2-56)
夕食を兼ねて、地元の若手農業集団の石川氏、倉橋氏と夢農人の活動について懇談を行いました。振舞われた食材はすべて地元の農産物。美味しい料理を味わいながら、参加メンバーの振り返りも行いました。

「夢農人」の活動や、中京大学とのコラボレーションについて紹介いただきました


今回の研究会の成果は、参加メンバーのこれからの研究発表や部会の活動に反映され、みなさまと共有できるものと思います。

情報デザイン研究部会 Info-D 部会開催 報告

平成29年度日本デザイン学会秋季企画大会のプログラムとして用意された枠を利用して、部会を開催しました。

2017年10月15日(日) 14時〜15時30分
会場:まるたまスクエア(北海道函館市元町2)

参加者:原田、瀧、両角、堀江、元木、横溝、富田、酒井、益岡、宮田、福田、八城、三野宮、濱本、飯塚(敬称・所属略、順不同)

議題
1.オーガナイズドセッション開催報告
主査より、第64回 春季研究発表大会でのオーガイズド・セッション「デザイン研究における記述⽅法としての「視覚化」」開催の報告を行った。また、議論を続けるための研究会開催を確認した。(12月を予定していましたが、主査の都合により2月開催に)

2.名簿管理とメーリングリストについて
info-d-allとinfo-d-planが運用されているが、管理の引き継ぎが難しく、現状は全体像も把握できていないため、一度リセットしてはどうか、という提案を行った。
「主査交代ごとにリセットしましょう」という方向になったので、次回春季大会までに、主査の方で管理方法と引き継ぎについて資料化する予定。

3.今後に向けて
「デザイン研究の視覚化」については、研究会を続けたい。12月→2月に開催予定。
「社会人のデザイン研究」をテーマにプロジェクトを立ち上げたい。
年度内or年度始めに1度やってみましょう。

4.その他
この秋季大会は、ライトニングトークセッションが面白かった。
今後の学会イベントにうまく引き継げれば良いと思う。
若手研究者、実践者が活用できるような部会運営を進めて行きたい。
次回の春季大会で、主査、副査の交代を行う予定。

最後に記念写真

(文責:原田)

「デザイン研究の記述」研究会を開催

情報デザイン研究部会の活動として、「デザイン研究の記述」研究会 を開催しました。
2017年9月1日 10:00-18:00
会場:ヤフー株式会社 会議室
(東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー 18F)

参加者:諏訪正樹、加藤文俊(慶應大)、横溝賢(八戸工業大)、元木環(京都大)、小早川麻衣子(愛知淑徳大)、植芝智裕(中京大)、上平崇仁(専修大)、瀧智恵美、清水淳子(ヤフー)、草野孔希、木村篤信(NTT)、八城朋仁、三野宮定里、山内雅貴、原田泰(はこだて未来大)敬称略

オーガナイズドセッション登壇者を中心に続きの議論を

7月に開催された日本デザイン学会オーガナイズドセッションの続きの議論を目的に、登壇者を中心に再集結し、デザイン分野ならではの研究の方法と記述について、具体的な研究テーマを題材に議論しました。

10時-13時 研究事例発表1(小早川)、2(三野宮)、3(清水)
14時-15時 研究事例発表4(瀧)
15時-18時 事例を踏まえてのキーワードの抽出、ディスカッション

研究事例発表では、博士論文、修士論文のまとめを控えた若手研究者の進捗報告を題材に、「デザイン研究ならでは」の成果に結びつけるためにこれからどのように進めていくべきか、様々な視点から議論できました。
今半のディスカッションでは、まず参加者それぞれが前半の議論のなかで気になったキーワードを付箋に書き出し、それらをひとつずつ吟味しながら議論を進めました。人間を対象とした研究なのだから、そのための成果の記述、評価の方法が必要、そしてそれは今までの枠組みでは満たせない。というのが場の総意だったと思います。
人を対象とした研究における「ナラティブ」の重要性について再確認することができました。今後も継続して活動することを確認できました。特集号、論文集、科研費の申請など、この活動の継続や成果を意識して、進めていきたいと思います。

(文責:原田)

情報デザイン研究部会 Info-D 部会開催 報告

第64回 春季研究発表大会のプログラムとして用意された枠を利用して、部会を開催しました。

2017年6月30日(金)16:10-17:00
会場:拓殖大学 文京キャンパス E棟 E802教室

参加者:植松、岡本、瀧、両角、安齋、益岡、宮澤、酒井、中島、堀江、山内、三野宮、八城、飯塚、鳥井、原田

新しくInfo-Dメンバーに加わった方が参加してくださいました。
メーリングリストの検討、プロジェクト活動の進捗と今後、などを議論できればと思いましたが、これらは先送りしました。
出席メンバーの自己紹介、研究キーワードの書き出しを行いました。下の画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。

「せっかくの機会だから」とセッションの時間を利用しましたが、遠隔からの参加の方は参加できず、幹事メンバーもほとんど集まれなかったので、何かを決定するような議論はできませんでした。また改めて、機会を設定したいと思います。

(文責:原田泰)

「OS-B デザイン研究における記述方法としての視覚化」 開催報告

日本デザイン学会 第64回 春季研究発表大会
オーガナイズドセッション
OS-B デザイン研究における記述方法としての「視覚化」
開催報告

7月1日 15:00-17:00
拓殖大学(文京キャンパス)E館E802教室

パネリスト:
諏訪正樹(慶應義塾大学)、加藤文俊(慶應義塾大学)、横溝賢(八戸工業大学)、元木環(京都大学)、清水淳子(ヤフー株式会社)、小早川真衣子(愛知淑徳大学)
オーガナイザー:原田泰(公立はこだて未来大学)

会場の様子(撮影:両角清隆)

下記の概要に基づき、これからのデザイン研究の「かたち」を探る機会として、セッションを開催しました。パネリストの皆さんには事前ミーティングでの意識合わせを経た上で、ご登壇いただきました。オーガナイザーとしては、現場から教育・研究分野に入ってきた若手デザイン研究者の方たちに向けて、「型にハマった(ツマラナイ!?)研究にとらわれず、自分の足元から実践者視点で研究を深めていこう」というメッセージを込めたつもりです。

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諏訪さん:〝まち観帖″という、街歩きを通じてかつての水路を見出す身体になってしまったエピソードを事例に、生きるための実践で感じる「違和感」や「もやもや」を感じる身体を創ることの大切さと、その行動原理を理解するための「実践のしかた」「問いかた」を実践しながら問うていく態度についてお話しいただきました。

加藤さん:家族の記憶を辿るゼミ生2人の研究事例を紹介いただきました。1つは両親のアルバム写真と同じ場所で撮影する活動を続けるうちに、恩師との再会が生まれ、学生自身の失われたコミュニティが再生したお話し。そしてもう1つは祖父の膨大な自叙伝をひたすらトレースするうちに祖父独特の言い回しをOSが記憶し、祖父の生きた言葉が自動的に再生されるようになった話しです。この2つのエピソードを通じて、予期しない対象との出会いや未知の状況を予測しながら受け入れる態度の必要性についてお話しいただきました。

横溝さん:愛媛県の水引プロダクトのデザイン開発を題材としたコンテキストデザイン手法の研究や、デザイン非専門家によるバスのラッピングデザイン支援を題材とした協創デザイン手法の研究、奥入瀬渓流のボランティア団体のNPO法人化を題材とした組織デザイン手法の研究など、生活世界における当事者として社会実践してきたデザイン活動をまとめた博士論文についてお話いただきました。

元木さん:学術研究の取り組み方を視覚的に表現するための手法を体系化したアカデミックビジュアリゼーションという博士論文を題材に、展示や教材開発の共同制作を通じて、研究者のデザインに関する理解の深化についてお話しいただきました。

清水さん:自分の考えを深め、考えを他者に伝えることを目的に始めたグラフィックレコーディング活動を通じて、モノづくりとしてのデザインから、人や社会との関係を形づくる活動に転換してきた経緯についてお話しいただきました。

小早川さん:看護婦の当事者デザイン活動を事例に、プロジェクトに対する自身の関わり方を内省しながら、「ただ一生懸命生きているだけ!」というデザイン研究者としてという肩書を超えた人としての本音を明らかにしました。

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進行役の至らなさで、本セッションの中だけでは完全に時間不足となってしまいました。しかし、今後も議論を続けていくことで、テーマである「デザイン研究のかたち」を示すところまで、続けていきたいと思います。

(文責:原田)

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セッション概要(参考)

従来の自然科学的研究スタイルを踏襲するだけでは、デザイン領域ならではの研究方法や成果の提示方法としてはまだ不十分なのではないのか。この問題提起を出発点として、情報デザインという市民のあらゆる生活を横断する実践分野を対象に、デザイン研究の方法、デザイン研究者の役割を再定義してみたい。
UCD(User Centered Design)の重要性が謳われて久しい。しかし、ユーザーに対する研究ほどにデザイナーの営みに対する研究が進んでいるとは言い難い。さらに、ある瞬間、高い評価を得たデザインも時間の経過とともに消滅する。そのデザインが社会に受け入れらてたことで社会も変化するし、社会の変化の方向に誰が責任を取るかをデザイナーに求めることは困難だ。デザイン研究の対象は無限に挙げられるが、問題はその研究方法と成果の評価である。どうしたらデザインできるようになるのか。どうなればデザインできたと言えるのか。そのデザインの価値を誰がどう評価すれば良いデザインなのか、これらの成果から何を学べば「デザインできる」という知や技を次世代に引き継いでいけるのか。取り掛かりとして、デザインプロジェクトのプロセスや成果の記録・記述方法に焦点を当て、デザイン研究の記述方法について議論する。フィールドワークや一人称研究のような、活動に関わる人々=当事者に焦点を当てた研究との対比から、デザインならではの記述方法を炙り出したい。

オーガナイズドセッションB  事前ミーティング開催報告

第64回 春季研究発表大会
オーガナイズドセッションB
デザイン研究における記述方法としての「視覚化」
事前ミーティング開催報告

2017年5月19日(金)
会場:ヤフー株式会社 会議室

参加者(敬称略):諏訪正樹(慶應義塾大学)、加藤文俊(慶應義塾大学)、横溝賢(八戸工業大学)、元木環(京都大学)、小早川真衣子(愛知淑徳大学)、清水淳子(ヤフー株式会社)、瀧知恵美(ヤフー株式会社)、原田泰(公立はこだて未来大学)
記録:堺千里、菅原麻綾(公立はこだて未来大学 学部3年)

ミーティングの様子

オーガナイズドセッションが価値ある時間となるよう、登壇予定者に事前に集まっていただき、顔合わせと当日の議論に向けての意識合わせを行いました。
簡単な自己紹介のあと、オーガナイザーの原田から趣旨説明を行い、その後はフリーディスカションという形で、交流を深めました。
「デザイン」と呼ばれる範囲の広がりに対して、「デザイン研究」の語り口は十分なのか、という問いに対して、未来に向けた可能性を垣間見ることができたと思います。
本番のオーガナイズドセッションにも、ぜひご期待ください。

(文責:原田泰)