2025 年度 デザイン科学基礎講座

CMF デザインサイエンス

~模倣からの脱却から,質感のタイムアクシスデザインまで~

講師:松岡由幸(慶應義塾大学名誉教授,早稲田大学客員教授,デザイン塾 主宰)

共催:日本デザイン学会,日本設計工学会(幹事学会),日本機械学会,デザイン塾

1.講習会の趣旨

近年,CMF デザインが注⽬されています.CMF とは,⾊(color),素材(material),仕上げ(finish)であり,それらを総合的にかつ丁寧に取り扱うことで,製品の質感と魅⼒を向上させることを狙いとしています.
CMFデザインにおいて⼤切な武器は,感性です.感性を磨き,⾼い質感を表現することが肝要です.しかし,プロが様々な開発環境や条件において第⼀線で活躍し続けるためには,感性だけでなく,サイエンスにも注⽬し,それを活かす必要があります.
本講座では,講師⾃⾝がこれまで⾏ってきたCMF デザインの事例を紹介しながら,それを遂⾏する上で役⽴つサイエンスとその扱い⽅を,わかりやすく解説していきます.

2.講習会の内容

(1) 模倣からの脱却
⼈⼯素材のデザインは,これまで,何かの⾃然素材を模倣するなどが多くなされてきました.そのため,その素材が持つ独⾃の潜在的な魅⼒を引き出されていないケースが多い状況です.ここでは,加飾フィルムなどのプラスチック素材を例に,模倣ではない,その素材に内在する独⾃の魅⼒を引き出す事例とその⽅法を紹介します.

(2)新しい価値創造のコツ
ここでは,従来のCMFデザインが陥りやすい問題を紹介し,それを解決することで新たな価値を創造するためのコツを紹介します.具体的には,場に適したデザインから,新たな場を創出する創発デザインなど,デザインサイエンスの⼿法を解説します.

(3)CMFを統合する新評価法
従来,⾊,素材,仕上げに関する評価⼿法は,それぞれバラバラに存在し,それらを統合する評価⼿法は存在していませんでした.しかし,最近の光学上の反射メカニズム研究から,それらを統合的に評価する新評価法が開発されつつあります.ここでは,その評価法とそれにより解明されつつある新たな知⾒を紹介します.

(4)AIを⽤いたCMFデザイン
⽣成AIの進化を受け,ここでは,現在,開発が進んでいるAIによるCMFデザインシステムの最先端を紹介します.現在,スケッチや図⾯など,CMFを表現するツールはありません.また,今後デジタルツインなど製品開発システムのデジタル化も進みます.そのため,AI・CMFデザインシステムの導⼊は,重要課題となっていきます.

(5)質感のタイムアクシスデザイン
これまでのCMFデザインは,時間軸変化に注⽬してきませんでした.ここでは,⼯芸品や製品におけるCMFの時間軸変化,時とともに価値が成⻑する事例を紹介し,CMFタイムアクシスデザインによる質感の新たな価値創造の可能性を紹介していきます.

3.日時:

2025年11月21日(金)13:00-16:00

4.実施方法:

Zoom によるオンライン開催

5.参加費(テキスト代を含む):

共催学会員:3 ,000 円(非課税)
非会員:6 ,000 円(税込)
学生会員:3,000 円 (非課税)
学生非会員:4 ,000 円 (税込)

6.テキスト:

書籍『プラスチックの逆襲』
※参加者全員に,ご指定の住所に送付いたします.

8.申込み先:下記formsにて,お願いします.

https://forms.gle/qTyYY5BjNupL2Zjb6

締切り: 2025年11月8日(金)

7.問合せ先:デザイン塾事務局

E-mail: mlabsec@googlegroups.com

会告チラシはこちら