日本学術会議ニュース No.84 2007/05/01

◇ 金澤会長より「科学者の行動規範の再確認について」

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         科学者の行動規範の再確認について

 安全性の判断や性能基準の策定などの科学的基礎となる研究においては、その透明性や信頼性が確保されるように、十分な配慮を行うことがとりわけ必要である。然るに最近、ある企業が開発した医薬品等の安全性を評価する場に、その企業から研究資金の提供を受けた研究者が直接責任を負う立場で参画していたために透明性に疑念を招いた事例があり、その対応や改善策が関係機関によって検討されているところである。

 科学がその健全な発達・発展によって豊かな人間社会の実現に寄与するためには、科学者が社会に対する説明責任を果たすこと、科学と社会の健全な関係の構築と維持に自覚的に参画すること、その行動を自ら厳正に律することが必要である。

 したがって、科学者においては、社会から無用な誤解を受けることがないように、「科学者の行動規範(平成18年10月)」に則って、個人の専門性を活かした協力はしつつも、自らを客観的な立場から厳正に評価して適切な行動をとるように、改めて注意を喚起する次第である。

                       平成19年5月1日
                       日本学術会議会長
                       金澤 一郎

 注:「科学者の行動規範(平成18年10月)」は、下のURLに掲載されています。
  http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-s3.pdf

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