第6回 第1支部大会 報告
日本デザイン学会第1支部大会が開催したので、概要を報告する。
■大会概要・参加者 等
日時:2015年9月5日(土)・6日(日)
会場:東北芸術工科大学 デザイン工学実習等 宿泊:黒澤温泉 悠湯の郷ゆさ
参加者:
学生24名(女子21名、男子3名)、教員・一般15名、取材学生1名(男子)1名
小学生4年生~6年生(こども芸術大学卒業生)21名 4グループ
学生参加大学:札幌市立大学、はこだて未来大学、八戸工業大学、東北工業大学、宮城大学、東北芸術工科大学、山形大学
■内容
『デザイン行為とは』『デザインの教育とは』を考える素晴らしい2日間であった。
テーマは『デザインのバトン 「気づきを手渡す」デザイン教育プログラムの試行』。
A)デザインを学ぶ学生が、日ごろ自分たちが学んでいる『デザイン』というものを小学生に伝える、そのための授業を組み立て実践して振り返りを行う。B)教員はその様子を観察し、アドバイスを行うことで、自らデザインという行為を省察し、今後の教育や実践の中で活かす。C)こうした学生と教員やデザイナーの学びが起きるような教育実践ワークショップ(プログラム)を考える、というデザインと学びに関するABCの三重構造を持つかなり高度な実験を行う支部大会となった。
大会主催大学の東北芸術工科大学の柚木先生(実行委員長)、三橋先生、藤田先生、酒井先生たちの綿密な計画と準備のおかげで、高度で実験的な試みは成功裏に終了したと言える。それは、参加した学生や教員・デザイナーの振り返りに明確に表れていたと思う。
2日間という短い時間の中で、異なった大学や学年の学生が、小学生を対象とした、デザインを題材とした学び(遊び)の授業を考えるというのは、何重にも難しさがある。課題もあったが全体として成功したのは、東北芸工大メンバーの綿密な全体の計画と準備および参加した学生たちの意欲の賜物であったと思う。特に、こども芸術大学の卒業生にWS(授業)に参加いただけたことは、東北芸術工科大学ならではのものであった。
デザインやデザイン教育は、今大きな転換点にいると思う。今回のような研究プログラム(WS)は、デザインの本質を考え、今後どこに軸足を置いていくかを考える上で、大変有効な支部大会であったと考える。
(第1支部長 両角)
■プログラム
第1日目 9月5日[土]
13:00 ガイダンス・学生ワークショップ (小学生対象のデザイン授業の企画検討会)
18:00 宿泊施設へ移動後、懇親会 および 翌日の準備
山形近郊の「黒沢温泉 悠湯の郷ゆさ」に宿泊。
第2日目 9月6日[日]
09:00 デザイン授業の準備
11:00 市内の小学生を招いてデザイン授業の実施
12:00 昼食
13:00 デザイン授業の振り返りと意見交換会
(アドバイザー : 高畠町教育委員会 早坂 美樹・東北芸術工科大学こども芸術大学 齊藤 祥子)
16:00 閉会
■大会風景