◾️趣旨:短期間に環境が大きく変化する今、社会やビジネスの未来予測が困難となっている中で、与えられた環境の枠を超えて行動を起こし、新たな価値を生み出していく新たな潮流として「エフェクチュエーション(Effectuation)」が注目を集めています。
エフェクチュエーションとは、成功を収めてきた起業家に見られる、従来とは異なる意思決定プロセスや思考(考え方)を分析し発見、学習可能なものに体系化した意思決定理論のことです。

エフェクチュエーション的アプローチは、 目的がはっきりしておらず、最適な手段がない場合でも、望ましい結果を生み出すことを助けてくれるため、起業家だけでなく、企業の新規事業開拓や組織改革などさまざまな場面で応用できることがあるのではないか、その意味や実際のビジネスや社会でどのように実践で活用できるのかを考えてみたいと思います。

今回は、入門書『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(ダイヤモンド社)の著者である吉田満梨氏に、経営学におけるエフェクチュエーションが人の認知科学に関わる本質的な課題であることや今後の展望についてお話いただき、次に大企業×新規事業について自社アセット起点ながら予定調和ではなかった創造的な事業創出について富士フイルムで化粧品ビジネスを立ち上げられたイノベーションアーキテクトの中村善貞氏に話題提供をいただきます。
お二人の話題から、小島健嗣(designMeME)と山﨑和彦氏(Xデザイン研究所)も参加して、これまでの様々な不確実な時代における新しい取り組みの文脈の中で、エフェクチュエーションの理論が、個人の活動や新しいサービスをつくる、マーケットを作るといった領域を超えた活動で 今後どのように創造的で実践的に活用していけるのか、会場のみなさんとディスカッションをします。このような分野に興味のある方は、ぜひご参加ください。

■タイトル:Xデザイン学校公開講座:「エフェクチュエーションとクリエイティブの交差点」
■⽇時:6月17日(月)19:00-21:00(開場 18:45)
■主催:X デザイン学校、(株)X デザイン研究所
■協力:日本デザイン学会ID部会、Xデザインフォーラム
■詳細・申し込み:https://peatix.com/event/3942728/
■会場参加:ウィルシャー・プレイス四谷、四谷駅より徒歩2分(限定16名)
東京都新宿区四谷1丁目 19-16第一上野ビル
※詳細は、お申し込みを頂いた方にご連絡いたします。
■オンライン参加:zoomによるオンライン参加
■ 参加費:
・会場参加:3000円 (Xデザイン学校 2024年度受講⽣は無料)
・オンライン参加:2000円 (Xデザイン学校 2024年度受講⽣は無料)

■ プログラム
19:00-19:10 「はじめに」
・小島健嗣 (designMeME)
19:10-19:50「エフェクチュエーションの本質と課題、その可能性」
・吉田満梨(神戸大学大学院 経営学研究科 准教授)
19:50-20:30 「自社アセットを異分野に生かす。富士フイルム化粧品事業創出にみるその本質」
・中村善貞(一般社団法人イノベーションアーキテクト )
20:30-21:00 考えるディスカッション「クリエイティブにエフェクチュエーションを活かしていく」
・吉田満梨 (神戸大学)
・中村善貞(イノベーションアーキテクト )
・小島健嗣 (designMeME)
・山﨑和彦(Xデザイン研究所)

◾️こんな方にお勧め
・新規事業開発や市場創造に取り組んでいる方
・エフェクチュエーションの学習・教育・研究・実践に関心のある方
・これからのデザインの役割やアプローチに興味がある方
・創造的な活動に関心のある方

■講師プロフィール:吉田満梨(神戸大学大学院 経営学研究科 准教授)
神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(商学博士)、首都大学東京(現東京都立大学)都市教養学部経営学系助教、立命館大学経営学部准教授を経て、2021年より現職。2023年より、京都大学経営管理大学院「哲学的企業家研究寄附講座」客員准教授を兼任。専門はマーケティング論で、特に新市場の形成プロセスの分析に関心を持つ。主要著書に、『エフェクチュエーション: 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(共著、ダイヤモンド社)『ビジネス三國志』(共著、プレジデント社)、『マーケティング・リフレーミング』(共著、有斐閣)など、共訳書に『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』(碩学舎)など。

■講師プロフィール:中村善貞(一般社団法人イノベーションアーキテクト 代表 )
1984年京都大学大学院を経て富士写真フイルム株式会社に入社。富士フイルムにて様々な新規技術・商品・事業の開発に携わった後、研究担当部長および商品部長として同社化粧品事業の立ち上げに貢献した。その後 R&D 統括本部 技術戦略部 統括マネジャー、同 先端コア技術研究所 副所長、イノベーションアーキテクト(特命)として社内外の新規創出に携わる。現在はイノベーションの創出およびその社会実装に取り組んでいる。著書に『図解 新規事業を創出する方法』(言視舎)など。

■ファシリテーター:小島健嗣(designMeME代表)
1986年にプロダクトデザイナーとして富士フイルムに入社。後に富士フイルムの構造改革やオープンイノベーションに携わるように。2014年には「FUJIFILM Open Innovation Hub」を立ち上げ、社内外の最新技術やアイデアが混ざり合う場所を創出する。富士フイルム退職後、2022年1月にdesign MeME合同会社を立ち上げ、現在は共創によるイノベーション創出、組織、場、プロセス、リーダー人材育成の支援に取り組んでいる。