2024年度 デザイン科学基礎講座

「不確かさ」に対して頑強な設計の知恵

“高性能化・多機能化”と”安心”のはざまで,設計にできること

講師:松岡由幸(慶應義塾大学名誉教授,早稲田大学客員教授,デザイン塾 主宰)

共催:日本デザイン学会,日本設計学会,日本機械学会,精密工学会,デザイン塾

1.講座の趣旨:

設計者は常に「不確かさ」に悩まされているのではないでしょうか.製品やシステムを設計するうえでは,多くの不確かさが存在します.例えば,寸法や材料成分のばらつきから,使用環境の多様性,想定外の自然災害など.

本講座では,それらの「不確かさ」に対して,頑強,かつ,できるかぎり安定的な機能を確保するための,設計の知恵や工夫,最新の手法などについて,数式を極力用いずに,概念として紹介していきます.

(1)設計の難しさと魅力

設計という人の創造的な行為の難しさとその魅力について,デザイン科学の立場から解説します.そして,その難しい設計行為を,設計者の皆さんは日頃,どのように日頃行っておられるかについて,科学的に解説します.

(2)熟練設計者の頭の中にある知恵

設計のノウハウは,経験を積み重ねることで,蓄積していくことが一般的です.そのため,それらのノウハウの多くは,暗黙知として,熟練設計者の頭の中にあります.ここでは,その暗黙知の一部をわかりやすい形式知として紹介していきます.

(3)設計の単純化

大規模化・複雑化した製品やシステムの構成を単純化することで,安定した機能や品質を確保するための設計上の視点を紹介します.さらに,それを容易に実現するためにグラフ理論を用いる手法についても紹介します.

(4)最適化とその功罪

最適化手法を概念的にわかりやすく解説するとともに,その効果を説明します.併せて,設計の現場にて,それらの手法を用いることで陥りやすい問題についても,紹介していきます.

(5)2つのロバスト設計

「不確かさ」には,内乱と外乱があります.ここでは,内乱を中心にした従来型の品質工学に加え,多様な使用環境・条件である外乱に対応可能な,新たなロバスト設計の手法を概説します.

(6)素性の良い設計とは?

「素性の良い設計」という表現をよく耳にします.確かに,「素性が良くない」といわれる設計の場合,その後の不具合対策や改善をいくら行っても,良い結果を繋がらないことが多いのではないでしょうか.ここでは,「創発」の概念から,「素性の良い設計」について,皆様とともに考えていきます.

2.実施方法:

Zoomによるオンライン

3.日時:

2024年6月19日(水)17:00-19:30

4.参加費:(テキスト分を含みます.)

学協会員(共催学協会):8,000円(非課税)

非会協員:16,000 円 (税込)

学生会員:6,000円(非課税)学生非会員:6,000円(税込)

5.テキスト:

書籍『ロバストデザイン:「不確かさ」に対して頑強な設計法』を配布.
※参加者全員に,ご指定の住所に送付いたします.

6.申込み先:

下記formsにて,お願いします.

https://forms.gle/oZK5AQnathBxe5E66

締切り: 2024年6月4日(火)

7.問合せ先:デザイン塾事務局

E-mail: mlabsec@googlegroups.com

会告チラシはこちら